大相撲の横綱白鵬(33=宮城野)が、7年ぶりに訪れた岩手・陸前高田市で、2つの思いを込めて土俵入りした。15日、同市で行われた夏巡業に参加。朝稽古は右膝痛のため、土俵下での四股などで入念に汗をかいた。正午に親方衆や他の幕内力士らとともに黙とうすると、午後には土俵入りも行い「7年ぶりか。当時は1人横綱で1日2回土俵入りしていたからね。終戦記念日でもあるし、2つの意味で土俵入りした」と、戦争と東日本大震災で亡くなった人々を思いやった。

 7年前に訪れたのは相撲協会の被災地巡回慰問で、1日2カ所ずつ5日間、計10市町を回った。東北地方を北から南下する中、2日目に訪れた陸前高田市の壮絶な光景は「今でも覚えている」と、特に印象に残っている。だからこそ復興が進む町並みに「未来に向けて進んでいると思った。7年ぶりに会いに来てくれた人もいたし、7年前に来たことがつながった」と喜んでいた。