平成以降4人目の100キロ未満の新入幕、西前頭14枚目炎鵬(24=宮城野)が勝ち越しに王手をかけた。三役経験者で35歳のベテラン十両豊ノ島を右への変化で振り回し、前に出てきたところでさらに右に動き、はたき込んだ。

「めちゃくちゃ焦りました。左差しだけは許さないように、と思っていたのに入りかけて…。体がよく反応してくれました」。合口は4戦4勝で、4番以上対戦した相手に限れば、1人だけ全勝を守っている“お得意様”。ところが「え? そうなんですか?」と意識はなかった。

新入幕で7勝2敗、勝ち越しに王手をかけた。「ここまでできるとは想像もしていなかった」という。自分もビックリのハイペース。前日の8日目、打ち出し後に部屋に戻ると、休場中の横綱白鵬と今場所初めて顔を合わせた。「横綱には『いいね』と言ってくださいましたけど、すぐに照強戦を指摘されて」。7日目にすそ払いで敗れた取り口を「あそこはこうしなきゃダメだろ?」と注意されたという。

「場所前から気をつけていることですが、それをすぐに言われて…。見ていてもらうだけで、身が引き締まります」。尊敬して止まない兄弟子のハッパを受け、終盤はさらに加速しそうだ。