正代(28=時津風)が大関昇進を果たした。熊本出身では58年ぶりとなる新大関の素顔とは? 日刊スポーツでは「くまモン大関 正代直也」と題し3回連載する。

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大関正代(28=時津風)はこれまで、「ネガティブ」が代名詞だった。

15年7月、新十両昇進の記者会見でのこと。対戦したい力士を聞かれると「全然ない。できればみんな当たりたくない」と言い、時津風親方(元前頭時津海)から「バカじゃないの?」と突っ込まれた。この場面が映像などでも繰り返し報じられ、自然に「ネガティブ」が浸透していった。

今年1月20日の朝稽古後、「当時、ネガティブが話題になり、あれからどう変わったのか?」という問いに、正代はこう答えた。

「根本的に変わっていません。もう何回も説明しているんですが、やっと(十両に)上がれることが確定して、当面は相撲のことは考えたくない時に会見があった。単にその時の気分なんです。オフな感じだったんです。ネガティブというより、中立な感じ。オンの時だったとしても、戦いたい人の名前は浮かばなかったと思います」

取り繕わないタイプなのかもしれない。別の受け答えをしておけば、「正代=ネガティブ」にはならなかったのかもしれないが「あれで良かったと思います。知名度も上がりましたから」とポジティブに言う。これが、正代を有名にした会見の真相だ。

秋場所で優勝した翌日、正代は今後について口にした。「そこまで性格は変わっていないと思うけど、あまり口にしなかった部分もあったので、なるべく口にしていこうと思います」。

多くを語らない伝統的な力士像とは少し異なる。飾ることない、正直な大関が誕生した。【佐々木一郎】(おわり)