物言いの説明に、物言いがつく珍事が起こった。

東幕下44枚目千代の勝-西幕下46枚目東照山の一番。千代の勝が左を差しながら土俵際に追い込み、東照山が右の小手投げで逆転を狙った。同時に土俵外へ倒れる際どい勝負となり、軍配は千代の勝に上がったが、物言いがついた。

協議の結果を、東関審判長(元小結高見盛)が場内アナウンスで説明した。「ただいまの協議について説明します。行司軍配は東方に上がりましたが、両者が同体ではないかと物言いがつき、協議した結果、両者の体が同時と見て、取り直しといたします」と説明した。

しかし、この直後に、向正面側に座る浅香山審判員(元大関魁皇)と竹縄審判員(元関脇栃乃洋)が、顔を見合わせて何かを確認するようなそぶりを見せた。すると、土俵に上がろうとした両力士を1度土俵下に引かせ、再び審判員が土俵上に集結。状況を理解できずに土俵下にいた東関審判長は、浅香山審判員に手招きで呼ばれて土俵に上がった。

土俵上では苦笑いを浮かべる他の審判員らが、東関審判長に何かを説明する様子が見られた。

約10秒後に土俵下に戻った東関審判長は「ただいまの協議について説明します」と切り出し「行司軍配は東方に上がりましたが、同体ではないかと物言いがつき、協議した結果、西方の足が、体が、足が先に出ており、軍配通り東方力士の勝ちとします」と、しどろもどろになりながら説明した。1度目は取り直しと説明したが、2度目は軍配通りに千代の勝の勝ちとなったと説明した。