日本相撲協会は30日、秋場所(9月12日初日、東京・両国国技館)の新番付を発表し、新横綱の照ノ富士(29=伊勢ケ浜)は西横綱に就いた。1場所15日制が定着した49年夏場所以降5人目、17年春場所の稀勢の里に続く新横綱優勝を目指す。東西の横綱に並び立つ白鵬には、全勝決戦となった先場所千秋楽で敗戦。同じモンゴル出身の先輩横綱に「勝って恩返ししたい」と特別な思いを示した。

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一時は大関から序二段まで番付を落とした「照ノ富士」のしこ名が、最も大きな字となった。新たな番付表を確認し、オンラインでの会見に出席。「綱を巻いて実感はあったので(番付表を見て)そんなに驚くことはなかった。土俵の上でも土俵の下でも、みんなに尊敬される横綱になりたい」。24日に明治神宮で行われた奉納土俵入りなどを経て、最高位の自覚が増してきた。

史上5人目の新横綱Vが期待される中で、白鵬の存在は避けては通れない。横綱昇進を射止めた先場所は、千秋楽の全勝対決に敗れて3場所連続5度目の優勝を逃した。白鵬の父ムンフバトさんにはモンゴルで柔道を指導してもらうなど、縁もある。その白鵬と今場所から東西の横綱を形成。「(白鵬は)角界に入る道を開いてくれた先輩。勝って恩返ししたいと思っている」と誓った。

今月4日付の官報で日本国籍の取得が告示された。大きな節目となる場所まで、2週間を切った。「自分のできることを精いっぱい準備して土俵の上に出していければいい。横綱として初めての場所なので、その姿を見てもらいたい」と気持ちを高めた。【佐藤礼征】