大相撲夏場所(8日初日、東京・両国国技館)を4日後に控えた4日、返り入幕を果たした東前頭14枚目の王鵬(22=大嶽)が報道陣の電話取材に応じ、近況や夏場所に臨む胸中などを明かした。

場所に向けて最終調整の段階に入っているこの日は、幕下以下の若い衆と20番ほど取って汗を流した。番付発表以降も、この番数を取っているといい「長く取らずに自分の形で相撲を取る」ことを意識していた。場所に向けては「いつでも場所を迎えられるようにしている。良いと思います」とスタンバイOKだ。

新入幕を果たした今年1月の初場所は、10日目に7勝目を挙げ勝ち越しに王手をかけながら「集中力が切れて、一番勝ったら勝ち越しという欲というか、勝ちたい気持ちが強かった分、相撲がバラバラになったのかな」(王鵬)ということもあり、よもやの終盤5連敗で負け越し。1場所で十両に陥落した。「研究されていたか分からないけど自分の悪い相撲が出た」とも自己分析。出直しの春場所は2ケタ10勝を挙げ1場所での返り咲きとなった。だからだろうか、再入幕については「いつでも最高のパフォーマンス、最高の相撲が取れるように心掛けている。1月場所は7勝3敗から負け越しているので、しっかりやりたい」と特別視せずに臨む。

ただ、負け越した初場所については「簡単には勝たせてくれない」と十両との違いを感じつつ「立ち合いとかで通用しないことはなかった。今のままで、このまま実力をつけられたらいいと思う」と決してマイナスにはとらえていない。

春場所からは強化するポイントを、しっかり認識して稽古を積んできた。「しっかり手を伸ばして、足も伸ばして、しっかり前へ運ぶことを意識」(王鵬)して、そのための体力強化も「ランニングしたり(一方で)しっかり休めるときは休むように」とメリハリもつけた。

さまざまな経験を積んで臨む再入幕の夏場所。新入幕の初場所は、後がない幕尻の東前頭18枚目だったため、1点の負け越しで十両に陥落した。夏場所は下に3枚を残すこともあり「余裕を持っていいのかどうか分からないけど、まだ(初場所より)気持ちは楽ですね」。経験値を上げ、多少の気持ちのゆとりを持って臨む夏場所の抱負を「しっかり勝ち越して、そこからまた大勝ちを目指したい」と語った。