再起への第1歩は三段目上位から-。日本相撲協会は27日、大相撲名古屋場所(7月10日初日ドルフィンズアリーナ)の新番付を発表し、大関経験者で6場所連続出場停止処分が今場所で解除される朝乃山(28=高砂)は西三段目22枚目での土俵復帰となった。

復帰の土俵を踏んでいない段階で少し気の早い話になるが、今後の関取や幕内復帰までの道のりを邪推? してみた。参考になりそうなのが、やはり新型コロナウイルス感染対策ガイドラインに違反し、ともに3場所出場停止処分を受けた阿炎(錣山)と竜電(高田川)。本場所から遠ざかれば格下相手でも相撲勘が鈍るのでは…という不安はご無用とばかりに、西幕下56枚目から復帰の阿炎は2場所連続7戦全勝(ともに優勝)で通過し、再十両を果たした。やはり西幕下47枚目から復帰した竜電も7戦全勝(優勝)、6勝1敗で十両復帰を果たした。力量の差は歴然だった。

朝乃山の場合、ブランクは両者の倍となる1年6場所だが、稽古も積んでおり三段目ということもあり、全勝も可能と思われる。では、この位置で7戦全勝した場合、翌場所はどこまで番付が上がるか-。朝乃山の西三段目22枚目付近で7戦全勝した最近の例が2つある。今年初場所で東三段目19枚目だった長内(高砂)は、7戦全勝(優勝同点)で翌場所は西幕下14枚目まで上がった。また夏場所で西三段目29枚目だった神谷(陸奥)は7戦全勝(優勝)し、今場所は東幕下19枚目に上がった。

仮に朝乃山が7戦全勝し、来場所で幕下の15枚目以内に入るとしよう。そこで2場所連続の7戦全勝となれば、翌場所は関取復帰の再十両が確実だ。番付運にもよるが、最短で今年11月の九州場所で朝乃山は、十両の土俵に上がれることになる。さらに順調に星を重ね2場所で十両を通過すれば、来年3月の春場所で幕内復帰を果たすことが出来る。ケガと内臓疾患で大関から序二段まで陥落後、横綱まで上り詰めた照ノ富士の例がある。朝乃山の復帰の道はいかに-。