西十両6枚目の大翔鵬(28=追手風)が、大関経験者で全勝の朝乃山に、今場所初めて土をつけた。右の相四つ。立ち合いすぐに左上手を取ると、相手には上手を与えず終始主導権を握った。胸を合わせ、じっくりと寄り切る完勝だった。

取組後は「勝てたことがうれしい。自分は勝ち越していて8勝2敗。朝乃山さんは十両で負けられないという緊張感があるから、気持ち的にはこっちの方が有利だと思っていた。なので、思い切っていこうと思っていた」と、声を弾ませた。勝因として上手を先に取ったことを挙げ「先に取られたら勝てない。先に取ってやっと勝負に(なると思った)」と、狙い通りの取組を振り返った。

朝乃山のことは「高校のころから知っているので、変に意識することはなかった」と、自然体で臨めたという。これで9勝2敗となり、さらに星を伸ばしていけば、来場所での幕内返り咲きも見えてくる。「1日1番ですね。みんな言うけど、本当にそう。明日は明日に集中してやりたい」と、気を引き締めていた。

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