横綱照ノ富士(31=伊勢ケ浜)が、1日2度の土俵入りを行った。大会に先立って行った東京・明治神宮に続き、会場でも開会式後に披露。9月の秋場所を全休した際に「腰椎椎体終板障害、糖尿病の加療を要するため10月8日までの休場を要する見込み」との診断書を提出していたが、力強い四股やせり上がりで、観衆から拍手を浴びた。1日2度の土俵入りは珍しいが、腰への影響は「大丈夫」と、冷静に話した。

腰の状態については2日前の9月30日、君ケ浜親方(元関脇隠岐の海)の引退相撲の際に「腰の骨が(一部)折れている」と明かしていた。その際には、この日に治療を受けると説明していたが、実は3日の誤りだったという。2日前には「手術というほどではない」とだけ説明していた3日の治療について、この日は「針を刺して、炎症を起こしている部分を洗う」と、追加で説明した。4日から始まる秋巡業は初日から休場することが発表されたが、途中参加も見据えている。

また、この日の2度の土俵入りは、ともに2日前の引退相撲に続き、前頭熱海富士が露払いを務めた(太刀持ちは翠富士)。秋場所では千秋楽まで優勝を争った弟弟子の露払い姿に「いろいろと緊張感もあると思うけど、そういうのも経験して、どんどん成長してほしい」と、エールを送った。続けて報道陣に向けて「何か(熱海富士に)ニックネームを付けてあげてよ」とリクエスト。静岡・熱海市の名物「熱海プリン」になぞって「角界のプリン」と、候補が挙がると「いいね、それっ! よし『角界のプリン』だ」と喜んだ。支度部屋の近くにいた熱海富士も、照ノ富士の喜ぶ姿を見て、新ニックネームを受け入れた? のか「CMに出たいっす」と笑顔。独特な笑顔に癒やされたのか、照ノ富士も再び笑顔を見せていた。