日本相撲協会の諮問機関、横綱審議委員会(横審)は27日、東京・両国国技館で定例会合を開いた。

会合後に山内昌之委員長(東大名誉教授)が会見。前日26日まで行われた九州場所で3場所連続休場、今年6場所のうち5場所で休場した横綱照ノ富士について、来年1月の初場所の出場を求めた。山内委員長は「横綱の欠場(休場)は誠に残念。健康上の問題を克服して、早く土俵に戻ってきてほしい期待から『推移を見守る』と申して参りましたが、来年の初場所において、ぜひ姿を見せてほしい。そういう期待が、横審の一致した見方」と、淡々と話した。

その上で「初場所をもしも欠場(休場)ということになれば大変残念。横審としても、その時点で、そのことについてコメントなどを出すということが申し合わされた」とも付け加えた。横審の決議には軽い順に「激励」「注意」「引退勧告」の3つがある。「コメント」は、決議のことを指すのか問われると「そこまではまだ考えていない。3つある公の声明(決議)になるのか、そうではない、一般的な私たちの気持ちを込めたコメントになるのか。それはまだ決めていません。あくまで初場所の結果、様子を見てということになります」と答えた。

いずれにしても照ノ富士は、来年初場所の出場が求められ、それがかなわなかった場合は、決議や「コメント」などが出され、進退問題に発展する可能性が出てきた。横審の決議では、8場所連続休場するなどした稀勢の里が、18年に「激励」を出され、出場を余儀なくされたケースなどがあった。照ノ富士は九州場所前に腰の骨の一部が折れていたことが判明。九州場所前は、巡業などで相撲を取る稽古を行い、出場を模索していたが、かなわなかった。