横綱審議委員会(横審)による、東京場所前恒例の稽古総見が9日、東京・両国国技館内で行われ、3場所ぶりの出場を目指す横綱照ノ富士(32=伊勢ケ浜)が久々に相撲を取る稽古で汗を流した。

大関貴景勝(27=常盤山)との三番稽古でスタート。まわしを引いて横綱、押し込んで大関の勝負を繰り返し、最初の4番は白星と黒星が交互だったが、その後は3連勝で、ここでは貴景勝に5勝2敗(2番置いて再戦した一番も勝って結局は6勝2敗)。綱とりを目指す大関霧島(27=陸奥)に連勝、関脇大栄翔(30=追手風)には2勝1敗と、都合12番取って10勝3敗だった。

本場所から離れ、やはりスタミナ面にも不安は残る。稽古を見守った日本相撲協会の八角理事長(60=元横綱北勝海)も「ようやく…」と言いかけて「もうちょっと時間がほしい(ところ)」と課題を指摘した。この日の稽古同様と照らし合わすように「最初はこわごわと取っていて、ぎこちなかった。汗をかくようになって、ちょっとずつ動けるようになった」とし、本場所については「やはり序盤でしょう。序盤を、うまく乗り切れば大丈夫」とポイントを指摘。ただ、手の内を隠されがちな稽古と本場所の違いもあり「場所で動かれるとどうか。本場所は(相手も)動くから」と膝の不安も抱えることから、スタミナとともに、もう一方の不安点も挙げていた。