大関の相星決戦で賜杯争いが決する。豊昇龍(25=立浪)は関脇の霧島を豪快につり出して、自己最多の13勝目をあげた。琴桜(27=佐渡ケ嶽)も大の里を上手投げで1敗をキープ。千秋楽の直接対決で豊昇龍は昨年名古屋場所以来、大関昇進後初、琴桜は悲願の初優勝をかける。両大関がハイレベルな優勝争いを展開し、来場所はダブル綱とりとなる可能性もある。
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土俵下で琴桜の勝利を見届けて千秋楽、最高の筋書きを描いた。結びの一番に登場した豊昇龍は、鋭い立ち合いからもろ差しになると霧島を豪快につり出した。「集中してやりました。集中していたんで、よかったと思います」。今場所のキーワード“集中”を繰り返して快勝を振り返った。
初優勝した昨年名古屋場所の12勝を超え、自己最高の13勝を重ねた。それでも優勝は「自分は意識していないんで」と言い切る。これまでは奔放に発言してきたが、今は言葉を選ぶ。「優勝すると言ってできなかった場所ばかり。(硬くなる)かもしれない。1日一番に集中していくだけです」と言葉をつむいだ。
元横綱朝青龍のおいとして注目されたが、大関まで上がり自分の地位と名前を築いてきた。師匠の立浪親方(元小結旭豊)は「やっぱり地位が人を作るよね。番付が上がれば変わる。頼もしくなった」と評価する。
場所前には無邪気に「優勝、したいねぇ」と話していた。その目標に王手をかけた。千秋楽、琴桜との「大関相星決戦」を制すれば言霊は本物になる。「(相星決戦を)僕は意識しないですよ。集中してやるだけです」。ともに横綱への目標もかかる大一番。豊昇勝は表面上、意識はせず土俵に立つ。【実藤健一】

