大相撲の大関琴桜(27=佐渡ケ嶽)が6日、富山市で行われた春巡業の朝稽古で、計12番で11勝1敗と存在感を見せた。関脇大栄翔、ともに前頭の平戸海、明生を相手に、四つに組み止めて寄り切るなど、持ち味発揮の取り口が目立った。3月30日から始まった春巡業は、会場を移して連日開催されており、この日で8会場目。うち相撲を取る稽古は2度目だが「自分の感覚を試しながら」と、基礎運動を中心に汗を流す日を織り交ぜながら、今後も夏場所(5月11日初日、東京・両国国技館)に向けて調整していく計画だ。
昨年11月の九州場所は、14勝1敗の好成績で初優勝を飾った。だが続く1月の初場所は5勝10敗。綱とりから一転して、かど番となった。3月の春場所は13日目に勝ち越しを決め、かど番を脱出したが、14日目、千秋楽と連敗し、8勝7敗に終わった。不本意な成績が続いた今年の2場所を振り返り「調子が悪かったわけじゃない。紙一重? そうだけど、そのブレがあっていいわけじゃない。いい相撲を取っても『いい相撲を取ったな』で終わり。負けは負け。自分の現状を自分で理解することが大切」と、安定して白星を重ねられなかったことを反省した。
今年に入り、同じ大関だった豊昇龍が初場所後に横綱に昇進し、大の里は春場所で3度目の優勝を飾って来場所は綱とりとなる。当然、悔しさはあるが、たどり着いた答えが今はある。「人は人。自分も(横綱に)上がりたいと思って、この世界に入った。その気持ちを忘れたことはない。辛抱して、1つ1つやっていくしかない。人を見ていたらキリがない」。人並み外れた技やパワーを、うらやましく思うのではなく、結局、日々の稽古の積み重ねしかない-。入門当時から考えに回帰した。
重圧の懸かる初のかど番も「全部経験。この経験が、最後の隙間を埋めてくれるかもしれない。未来は誰にも見えないから」と、財産と受け止め、乗り越えた。最初は支度部屋で、弁当を食べながら話していたが、途中から、はしを止め、熱い思いを語っていた。最後は「難しい話をさせないでくださいよ」と、冗談交じりに笑顔。精神的にもたくましくなり、大関8場所目の来場所への強い決意をにじませていた。

