「唯一無二」の道を突き進む。日本相撲協会は28日、東京・両国国技館で大相撲名古屋場所(7月13日初日、IGアリーナ)の番付編成会議と臨時理事会を開き、大関大の里(24=二所ノ関)の横綱昇進を満場一致で承認。茨城・阿見町の二所ノ関部屋で昇進伝達式に臨んだ大の里は「唯一無二の横綱を目指します」と口上を述べた。大関昇進時と同じ四字熟語は用いたのは、記録ずくめの昇進を決めて強めた思いの表れ。土俵入りは「雲竜型」と明らかにし、関係者の話で太刀持ちを高安、露払いを竜電が務めることが分かった。
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思いの強さが、前回よりも堂々とした口調、声の大きさに表れていた。大の里は、協会から送られた使者の出羽海親方(元前頭小城ノ花)、秀ノ山親方(元大関琴奨菊)から横綱昇進を伝えられると、深々と頭を下げて、口上を述べた。
大の里 謹んでお受け致します。横綱の地位を汚さぬよう稽古に精進し、唯一無二の横綱を目指します。
昨年9月末の大関昇進時と同じ「唯一無二」を用いた。ただ、そわそわしながら待っていた前回から、わずか8カ月で幕内最重量となった191キロの「体」とともに「心」も成長した。
初土俵から所要13場所での昇進は、従来の記録を3場所更新する昭和以降最速だ。年6場所制となった1958年以降初土俵では、同じ石川県出身の輪島の21場所を8場所も更新した。58年以降としては、新入幕から9場所は「昭和の大横綱」大鵬の11場所を抜いて最速。初土俵から負け越しなしの昇進も初だった。異次元の昇進に導いた「技」の成長も目を見張る。「心技体」の充実は著しい。
大の里 自分自身で考えて、この言葉しかないと思った。唯一無二という言葉を当初は入れない予定で考えたけど、この言葉がぴったりだと思って入れた。
夏場所千秋楽から一夜明けた26日に「唯一無二」について「もう使ってしまったので」と話していた。替わる言葉を模索したが、自分の表すのに、それ以上の言葉が見つからなかった。
伝達式後の会見では「ここがゴールじゃない。ここからまた、いい姿を見せられるように頑張りたい」とも力説した。まだ唯一無二への道半ば。さらなる活躍を期待、予感もしているのが他ならぬ大の里本人だ。
横綱昇進も、想定の範囲内だったのかもしれない。土俵入りは「雲竜型」に決めたと明言。正確には“決めていた”と明かした。
大の里 親方が雲竜型。憧れもあるし、親方に指導してもらうことも楽しみ。(決めたのは)この部屋に入った時から決めていた。
真新しい綱が完成する29日に、師匠の二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)に、土俵入りの指導を受ける。部屋のホームページに掲げる「横綱から横綱を」の言葉を同親方は「部屋の理念」だという。それが現実となり、30日に東京・明治神宮で土俵入りを初披露する。
大の里 未知の世界。でも綱を締める責任がある。
会見を終えるころには、すでに大横綱の風格が漂い始めていた。【高田文太】
◆唯一無二(ゆいいつむに) この世でただ1つしかないこと。その1つ以外並ぶものがないこと。「唯一」と「無二」は、どちらも2つとないことを表す類義語で、重ねて意味を強調する言葉になっている。

