大関経験者で西十両13枚目の朝乃山(31=高砂)が、左膝に大けがを負った昨年7月の名古屋場所で、初日から3連勝して以来となる、関取として連勝を果たした。初顔合わせの宮乃風を破って3勝1敗。鋭い踏み込みから、170センチ、122キロの小兵の肩越しに左上手を引き、右をのぞかせ、最後は体を預けるようにして寄り倒した。2日目は西ノ龍に敗れ、3日目は風賢央に一方的に押し込まれて物言いがつく際どい勝負を制していた。波に乗り切れていなかったが、嫌な流れを断ち切る可能性を高める、初の連勝となった。

「上から取ったので上手が深かったけど、投げられても、ひねられても、体を密着できた。大きい相撲を取ることができた」と、完璧ではないとの自己評価ながら、納得顔で振り返った。

前日16日の3日目は、九死に一生を得た格好だった。防戦一方で、最後は俵にかかっていた右足1本で残し、わずかに相手が落ちるのが早かった。物言いがついたが、行司軍配通りに白星。取組後は「相撲内容は最悪。最後は命拾い」と、まるで納得はしていなかった。だが「内容が悪くても負けるのと勝つのとでは違う。これからは負けるとしても前のめりに、前に出ることを意識したい」と、消極的だった相撲を見つめ直すきっかけとなった。

この日の取組後も、前日を振り返って「強引な投げとか、下がって相撲を取って、けがをしてきた人たちを見てきた。せっかくけがから復帰したのに、昨日のような相撲をしたら、もったいないことになりかねない」と、神妙な顔つきで話した。一般的に、相撲界では前に出ている分には、けがをしないといわれる。下がったり引いたりした際に、けがをすることが多いとされているだけに、前日の取り口は、けがから再起して再入幕を目指す上でも、猛省すべき内容だったようだ。

4日目までの相手は、いずれも初顔合わせか2度目の顔合わせだった。手探り状態での取組が続くが「自分も挑戦者の気持ちで向かっている」と、気持ちは関取経験の浅い、これまでの若手の対戦相手と変わらないと強調した。

熱烈に応援してくれる、地元富山県のファンへの思いも吐露した。「富山の方々に関取に戻って1番言われるのが『また15日間、朝乃山の相撲を見られるのがうれしい』という言葉。自分の恩返しは、土俵の上で活躍すること。1歩ずつでいいので、また幕内を目指していきたい」。連勝を飾って気持ちも高まり、勢いを加速させそうな気配が漂い始めた。

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