恩返しは三役昇進-。肺炎のため15日に69歳で亡くなった、元大関若嶋津で元二所ノ関親方の日高六男(ひだか・むつお)さんが入門時の師匠だった、東前頭6枚目の一山本(32=放駒)が決意をにじませた。この日の取組は、前頭伯乃富士に上手ひねりで敗れて3連敗。4勝5敗と黒星先行となり、弔い星とはならなかったが、取組後、先代師匠に向けて「(同席した新十両)会見で師匠が『三役』と言っていたので、三役を目指して土俵を続けたい」と力説。東前頭筆頭だったこれまでの自己最高位を、更新することが故人の願いだったと明かした。
一山本は中大を卒業後、地元北海道の福島町役場に就職していた。ちょうど、日本相撲協会が新弟子が入門できる年齢を緩和したタイミングで、23歳で当時の二所ノ関部屋に入門。それだけに一山本はこの日「入門できたのは師匠のおかげ。23歳で、何の実績もない自分を拾ってもらい、何か1つでも恩返ししたいと思っていた」と、故人への深い感謝の思いを口にした。
訃報を耳にしたのは前日8日目の取組後だった。「信じられないという気持ちでした」と、素直に驚きを口にした。自身が入門して半年余りで倒れて手術を受け、以降は療養生活を続けていた。「寡黙でしたけど、言ってもらった一言に重みがあった」。教えが清澄に導いてくれたと感謝する。
今、天国の日高さんに、どんな声をかけたいか問われると即答した。「拾ってもらってありがとうございました。まだまだ頑張るので、応援よろしくお願いします、ですね」。日高さんは一山本の新十両会見に同席した際に話していた。「(将来的に)三役になれる」。期待に応えるまで、そして応えた後も、老け込むつもりはない。

