[ 2014年6月18日8時30分

 紙面から ]右手が顔面を直撃し、痛がるドイツのミュラー(右)にポルトガルの・ペペは頭突きする<W杯:ドイツ4-0ポルトガル>◇1次リーグG組◇16日◇サルバドル

 大事な初戦で、ポルトガルDFぺぺ(31=Rマドリード)が大失態を犯した。0-2の前半37分、突き放して倒れたドイツFWトーマス・ミュラー(24=Bミュンヘン)に対して頭突きを見舞った。激しく言い争う中、主審の判定はもちろん一発退場。劣勢で守備の要を失ったチームに、勝機はなくなった。

 ボールをカットする能力が高く、「足にハサミを持つ」といわれる世界最高のセンターバックの1人。だが前半12分にPKで早々に失点すると、2失点目のCKでは空中戦で競り負けて追加点を許し、フラストレーションをためていた。

 過去にも「前科」がある。12年のスペイン国王杯ではバルセロナFWメッシの左手を踏みつけ、リーグ戦でも相手を倒してPKを献上した際、倒れた相手の背中を蹴り飛ばした上に別の選手の顔にパンチを見舞って10試合の出場停止となった。W杯での頭突きといえば、98年のFWオルテガ(アルゼンチン)06年のMFジダン(フランス)に続く。チームも4大会連続での退場者となった。

 G組は前回大会で16強入りした実力国ばかり。得失点差の上でも手痛い。次の米国戦はぺぺが出場停止で、負傷退場したH・アルメイダとコエントランは最終ガーナ戦までには回復しない見通し。ベント監督は「選手は落胆している。つらい時だ」とショックを隠さなかった。

 ▼4大会連続退場者

 ポルトガルは02年日韓大会から、4大会連続で退場者を出したことになった。02年は1次リーグ韓国戦(0●1)でJ・ピントとベト、06年ドイツ大会は決勝トーナメント1回戦オランダ戦(1○0)でコスティーリャとデコ、10年南ア大会では決勝トーナメント1回戦スペイン戦(0●1)でコスタが退場になった。