NMB48山本彩(24)が19日、東京・NHKホールで全国ソロライブツアーの東京公演を行った。2枚目のアルバム「identity」の楽曲など、合計20曲を、ギターを弾き鳴らし、ハーモニカを吹き、グループ屈指の歌唱力で披露した。

 山本にとってのNHKホールは、1年前から特別な場所となっていた。昨年の大みそかのNHK紅白歌合戦で実施されたのは、AKB48選抜総選挙のような、視聴者らの投票で歌唱できる選抜メンバー16人と1位のセンターを決める「AKB48夢の紅白選抜」だった。山本は、指原莉乃らを退けての、堂々の1位を獲得。ここは、うれし泣きしながら歌った思い出のステージだった。

 アンコールのMCで「その節は本当にありがとうございました」と感謝すると、逆に客席からは、大さやかコールが帰ってきた。「声や拍手がホンマに降ってくるように感じるの…」と震えた。まさに、投票してくれた、応援してくれたファンへの凱旋(がいせん)ライブとなった。

 1年前の初のソロライブから会場も一回り大きくなった。アイドルグループNMB48からのファンはもちろん、「さや姉がかっこいい」と慕ってくる女性ファンも多く、そのファン層と数は増えるばかりだ。こうなると、今後はアーティストにとっての憧れの会場、日本武道館なども視野に入ってくる。山本は「何か、紅白のこともあって、このNHKホールは、皆さんに連れてきてもらった感じです。でも、これからは私が皆さんを連れ出していきたいです」と、頼もしい言葉で締めた。

 「私は音楽に助けられてきました。今度は自分の音楽で、歌で、誰かの力になりたい」。アイドルであっても、ソロアーティストであっても、山本彩には、いつだって歌う理由がある。