台湾・台北市を拠点に今年活動を始めるAKB48の姉妹グループTPE48がこのほど、同市で最終オーディションを行い、45人が合格した。日本人合格者3人のうち、福岡在住の小山(おやま)美玲さん(15)は、台湾で女優になるため、親元を離れて移住する決意を語った。

 過去の海外姉妹グループで、現地に在住する日本人が合格した例はあったが、日本から受験した「越境」合格者は小山さんが初めて。名前を呼ばれると、口を強く結んでステージに上がり「中国語を話せず迷惑をかけるかもしれませんが、私なりに頑張ります」と誓った。

 祖母が台湾人で、台湾のドラマや映画に親しんで育った。台湾のトップ女優で、人気ドラマ「ハートに命中! 100%」に主演した陳喬恩(38)のファン。「中国語は分からないのに、演技で意味が伝わるすごい女優さん」。陳に憧れ、台湾での女優挑戦を夢見ていたところ、母にTPE48のオーディションを勧められ受験した。「言葉は分からなかったけど、日本語を話せる子に助けてもらいました」。得意のヒップホップダンスなどでアピールし、合格を勝ち取った。

 現在中3で受験生だが、「受験勉強はやめて、台湾の高校に通います。家族はまだ一緒にいたいみたいだけど『夢なら応援する』と言ってくれました」と覚悟を決めた。「日本と台湾の懸け橋になる女優になりたい」と大いなる夢を掲げての移住。AKB48からTPEに移籍した阿部マリア(22)からは「一緒に勉強する仲間ができてうれしい」とエールを送られた。【森本隆】