SKE48の関東ツアー「SKEBINGO! PRESENTS 炎の関東ツアー2019~みなさん長らくお待たせしました~」初日を取材した。

“会いに行けるアイドル”を掲げたAKB48。SKE48は48グループで2番目に誕生し、今年10周年を迎えている。48グループはそれまでのアイドルの概念を覆す存在となった。少なくとも記者の目には、そう写っている。

今年50歳の記者にとって、アイドルといえば雲の上の存在だった。そんな高根の花的存在を根底から覆した秋元康氏の発想はさすがだが、おニャン子クラブを手がけた秋元氏ならではなのかもしれない。

そんな48グループの中でも、ダンスを売りにしてきたのがSKE48だ。この日も、オープニング曲「パレオはエメラルド」から7曲連続約20分におよぶ圧巻のパフォーマンスで会場を盛り上げていた。

そんなSKE48のもう1つの武器は、メンバーそれぞれの個性だろう。アイドルとしては致命的ともいえる“ブスキャラ”を逆手にとり、最近ではNGなしでさまざまな番組にひっぱりだこの須田亜香里(27)や、お笑い芸人なみの粉まみれ姿を見せた松村香織(29)などキャラが豊富だ。松村は間もなく卒業するが、そのポジションを受け継ぐ存在がこの日、誕生した。山内鈴蘭(24)だ。

ゴルフ好きな記者にとっては、昨年SKE48を担当する以前からその名前は知っていた。山内はステージ中盤、ゴールデンボンバー「女々しくて」のカバー時にステージ中央で後ろ向きになり、松井珠理奈(21)大場美奈(26)らにメークをされた。「樽美酒研二になるのか」と思いきや、振り向いた姿は「バカ殿」に近かったのだ。

同グループの冠番組「SKEBINGO! ガチでお芝居やらせて頂きます」(火曜午前1時29分)が日本テレビ系で現在放送中だが、同ステージでは「SKEBINGO!ライブ連続ツアー小説 黒派遣OL彩姫」第1章も演じられた。同番組内で“小悪魔的な女”を演じた竹内彩姫(19)が主役で、親友の彼氏を奪い取るという悪女を演じている。

同劇では斉藤真木子(24)江籠裕奈(18)鎌田菜月(22)が尻文字を披露し、これに触発された松井は劇終了後、佐藤佳穂(21)にむちゃぶりもしていたが、最後は松井自身も笑いながら尻文字を披露した。

いずれも、記者にとってはアイドルという概念にはなかったキャラだった。だが、終演後の関係者あいさつで話を聞くと、いずれも本人が楽しみつつやっていて、「SKE48のため!」という思いが強いことを感じた。

SKE48を担当したころ、須田から「アイドルを担当するなら推しメンを作るといいですよ!」とアドバイスをされた。言われた時は「さすが釣り師」としか思わなかったが、最近になってあの言葉は「楽しんで仕事をしてください」という意味だったのでは、と思うようになった。

そんなSKE48は1日、AKSから株式会社SKEへと運営が変わった。SKE48に特化した運営になるだけに、さらなる躍進を期待したい。【川田和博】