2月28日にハリウッドで行われるアカデミー賞授賞式を前に、オスカーにノミネートされた俳優や監督らに贈られる特別なギフトバッグの豪華な中身が明らかになりました。オスカーの授賞式では毎年、主演男優・女優賞、助演男優・女優賞、そして監督賞にノミネートされながらもオスカーを手にすることができなかった人々だけに、特別なお土産が用意されます。これはアカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミーからの贈り物ではなく、セレブの知名度を利用した広告的な役割で多くの企業が提供するもので、今年は史上最高額となる総額20万ドル、日本円にして約2300万円相当の豪華なギフトが用意されていると報じられました。

 気になるその中身とは……、ロサンゼルスのマーケティング会社が用意した今年のギフトには、4万5000ドル相当の15日間日本ウオーキングツアー、イスラエルへの豪華な10日間の旅、それにイタリア・コモ湖のホテルの豪華宿泊などの海外旅行から、パーソナルトレーナーとのトレーニングセッション、高級化粧品、高級車アウディを1年間レンタルできる権利などなど、沢山の商品や旅行券が含まれているようです。他にも女優にはインプラントをしなくても胸の谷間を作って張りを保たせると話題の整形バンパイア・バスト・リフトも贈られるといいます。オスカーを家に持ち帰ることができなかった負け組の人たちのもとには、授賞式の翌日にこれら豪華なギフト一式が届くのだそう。

 ギフトバッグは例年どんどんその内容が豪華になり、金額もうなぎのぼりに高くなっています。一昨年は8万8000ドル、昨年は15万ドルだったことから、今年はいかに豪華な内容か想像していただけると思います。残念ながらギフトを手にできるのは、限られた20名のみ。今年は俳優部門と監督賞にノミネートされた全員が白人だったことが物議を醸し、「白すぎるオスカー」と揶揄されていますが、奇しくもこのギフトを手にするのは全員が白人。ということで、再び白人ばかりのオスカーに豪華ギフトと批判も噴出しそうです。

 毎年その内容が話題になりますが、2014年には受け取った人が選んだ動物シェルターに1万食分のペットフードを寄付する権利が含まれていたこともあります。ところで15日間もの海外旅行など、超多忙な売れっ子俳優たちに行く暇があるのかという率直な疑問を持つ方もいらっしゃると思いますが、2006年に「シリアナ」で助演男優賞にノミネートされたジョージ・クルーニーは、ギフトバッグを自身が理事を務める慈善団体に寄贈。チャリティーオークションにかけられたこともあります。

 今年の授賞式では、誰がオスカーを手にするのでしょうか。今年こそは悲願のオスカーを手にできることが確実視されているレオナルド・ディカプリオは、果たしてオスカーを手に笑顔を見せるのか、はたまた今回も豪華ギフトバッグを前に涙を流すのか…。授賞式まで2週間をきり、ハリウッドもその行方を見守っています。

【千歳香奈子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「ハリウッド直送便」)