米音楽界最高の栄誉とされるグラミー賞授賞式が10日、ロサンゼルスのステープルズ・センターで開催され、レディー・ガガが映画「アリー/スター誕生」の主題歌「Shallow」で最優秀ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス賞と最優秀楽曲賞の映画・テレビ・その他映像部門を受賞するなど3冠に輝きましたが、今年も様々なハプニングやサプライズがありました。東京出身の映画監督ヒロ・ムライさんが、ラップ歌手チャイルディッシュ・ガンビーノの楽曲「This is America」のミュージックビデオ(MV)で最優秀ミュージック・ビデオ部門を受賞したニュースは日本でも報じられている通りですが、全84部門もの賞があり、中でも「年間最優秀レコード」「年間最優秀アルバム」「最優秀新人賞」「年間最優秀楽曲」の主要部門4部門が最も注目されるグラミー賞のハイライトをリポートします。

◆ミシェル・オバマ元大統領夫人がサプライズ登場

ミシェル・オバマ元大統領夫人が、レディー・ガガ、アリシア・キース、ジェニファー・ロペス、ジェイダ・ピンケット=スミスと手をつないでオープニングに登場すると、会場は大きな歓声と拍手が沸き起こり、セレブたちもスタンディングオベーションに。「ジャンルに関係なく、音楽は私たちの尊厳と悲しみ、希望と喜びを分かち合う手助けをしてくれます」と音楽の大切さを訴え、女性の受賞が目立った今年のグラミー賞を代表する名場面となりました。

◆カイリー・ジェンナーが恋人のトラヴィス・スコットとツーショット

愛娘が1歳を迎えたモデルで実業家のカイリー・ジェンナーが、珍しくレッドカーペットにトラヴィス・スコットと揃って登場し、抱き合うなどラブラブぶりをアピール。しかし、婚約の噂もある2人が会場入りしたのは、各局のインタビューが終わった後だったため、念願のツーショットインタビューは実現せず。3部門にノミネートされていたスコットは残念ながら無冠に終わりました。

◆カーディ・Bが初の最優秀ラップ・アルバム賞を受賞

昨年は女性のノミネートが少ないと批判を浴びたグラミー賞でしたが、今年はカーディ・Bが、女性としてはじめて最優秀ラップ・アルバム賞に輝く快挙。スピーチでは緊張からか、「マリフアナ吸いたい」と発言して会場を盛り上げました。そんなカーディ・Bは、昨年12月に離婚を宣言している夫でラップグループ「ミーゴス」のメンバー、オフセットとレッドカーペットでツーショットを披露。濃厚キスまで披露して話題に。

◆ジョイ・ヴィラが再びトランプ支持ドレスで登場

過去にも「アメリカを再び偉大に」と描かれたドレスで授賞式に出席するなどトランプ米大統領の支持者として知られるジョイ・ヴィラが、トランプ大統領が政策に掲げるメキシコとの国境沿いの壁建設を支持するメッセージ入りドレスで出席。一方、オープニングを飾ったラテン系歌手カミラ・カベロがリッキー・マーティンと共にヒット曲「ハバナ」を披露した際にセットのベンチに座る人が「壁ではなく、橋を作ろう」と書かれた新聞を手にする演出があり、無言でトランプ大統領に抵抗したと話題に。

◆授賞式でのパフォーマンスを巡るトラブルで欠席したアリアナ・グランデが初のグラミー受賞

授賞式でのパフォーマンスを巡ってプロデューサーとの対立が原因で欠席したアリアナ・グランデが、「Sweetener」で最優秀ポップ・ボーカル・アルバム賞を受賞し、初のグラミー賞に輝きました。受賞結果を確認したグランデは、「今夜は会場にはいないし、賞にこだわりすぎないようにしているって言ったけど。ファック…最高に素晴らしい気分」とインスタグラムにコメント。また、昨年急逝した元恋人のラップ歌手マック・ミラーが最優秀ラップ・アルバム賞の受賞を逃した後は、「クソみたい」と再びSNSに投稿した。

◆レディー・ガガがブラッドリー・クーパー抜きで大熱唱

映画「アリー/スター誕生」の主題歌で俳優ブラッドリー・クーパーと共に歌った「Shallow」でポップ・パフォーマンス賞などを受賞したレディー・ガガが、英国アカデミー賞授賞式に出席するために欠席したクーパーに「あなたと歌えてよかった」と感謝のスピーチ。さらにステージではクーパーの代わりにマーク・ロンソンがギターを担当し、単身でステージに立ち、映画のオリジナルとは異なるバージョンで熱いパフォーマンスを繰り広げた。

【千歳香奈子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「ハリウッド直送便」)