米経済誌フォーブスが、2021年のユーチューバー年収ランキングを発表し、7歳の少女が2800万ドルを稼いで6位にランクインするなど、驚くべき高収入が話題になっています。

映画やテレビドラマは公開や放送が延期されるなど新型コロナウイルス感染拡大の影響を大きく受けた一方、ユーチューブは視聴者数を伸ばし続けており、2021年は世界中で23億人以上が月1回ユーチューブを利用したと言われ、1日あたり10億時間以上の動画が視聴されています。

ユーチューバーの収入もうなぎのぼりで、昨年は前年の2億1100万ドルから大きく伸びて、トップ10に入ったユーチューバーの合計年収は3億ドルを超えています。一方、以前は収入の大半が広告によるものだったユーチューバーも、昨今はブランドとのパートナーシップやスポンサー契約、商品販売などを通じて大金を稼ぐようになっており、チャンネル登録者数に関係なく高額を稼ぐ人も増えています。そんな2021年に最も稼いだユーチューバーを紹介します。


1位 ミスター・ビースト(ジミー・ドナルドソン) 年収5400万ドル

ミスター・ビーストは、登録者数8880万人を誇るアメリカの人気ユーチューバー。「生き埋めの状態で50時間過ごす」「最高のセキュリティーを誇る刑務所で50時間生き残る」などチャレンジ系動画で人気を博し、昨年はネットフリックスで配信された大ヒット韓国ドラマ「イカゲーム」の世界を45万ドルの賞金をかけて再現したことでも話題になりました。

昨年は自身の名前を冠にしたハンバーガーチェーンをノースカロライナ州に開店し、ドライブスルーに大行列ができる大盛況で、全米展開するなど新たなビジネスモデルも生み出し、同ランキング2位だった2020年の2倍近い収入を得てトップになりました。


2位 ジェイク・ポール 年収4500万ドル

タイロン・ウッドリーに判定勝ちした一戦が収入増につながったジェイク・ポール(左)
タイロン・ウッドリーに判定勝ちした一戦が収入増につながったジェイク・ポール(左)

プロボクサーでもあるジェイク・ポールは、兄のローガン・ポールと共に小学校時代からユーチューブで動画製作をしているユーチューバーとして知られています。2018年にトップ10入りした後はランキング圏外だったものの、昨年はボクシングからの収入で2位に返り咲きました。昨年8月に元UFC世界ウェルター級王者タイロン・ウッドリーと対戦し、判定勝ちした一戦が収入増につながったと言われています。


3位 マークプライヤー 年収3800万ドル

ホラーゲームの実況プレイ動画で人気となったマークプライヤーは、3100万人の登録者数を誇り、チャンネルの総動画再生回数は174億回を超えます。衣料品会社Cloakの共同創設者でもあり、Unus Annusと呼ばれるビデオシリーズのTシャツ販売などで高収入を得ています。


4位 レットとリンク  年収3000万ドル

レットとリンクとして知られるコメディアンによるコメディ、トーク番組Good Mythical Morningは、1月9日に放映開始10周年を迎えた人気コンテンツ。毎週平日にアップロードを続けており、チャンネル登録者は1740万人を誇っています。


5位 アンスピーカブル 2850万ドル

人気ゲーム「マインクラフト」の実況動画で知られるアンスピーカブルは、4つのチャンネルで2600万人以上の登録者数を誇る人気ユーチューバー。過去の動画カタログを昨年売却したことで莫大な収入を得たと言われています。


6位 ナスチャ(アナスタシア・ラジンスカヤ) 年収2800万ドル

7位にランキングされた昨年に続いて最年少でトップ10入りしたロシア出身の7歳の少女ナスチャは、8610万人の登録者数を誇り、前年から1000万ドル近く収入を増やして順位を1つあげています。

生まれつき脳性麻痺と診断されたナスチャちゃんの両親が、友人や家族のために始めたユーチューブでしたが、2018年に投稿された父親とのふれあい動物園への旅が大ヒットし、わずか1年で7つのチャンネルで登録者数1億人超えを記録し、2019年には1800万ドルの収入を得る人気ユーチューバーとなりました。


7位 ライアン・カジ  年収2700万ドル

昨年は2950万ドルを稼いでトップだった10歳の人気ユーチューバー少年ライアン・カジは、今年は収入を減らして7位に転落。日本人の父とベトナム系アメリカ人の母を持つライアン君は、2015年から科学実験やおもちゃを紹介する動画を投稿して人気を博し、おもちゃのレビューをする「ライアンズ・トイ・レビュー」は、スタートからわずか4か月で世界のトップ20にランクインする人気番組になったことで知られています。フォーブス誌の年収ランキングでは昨年までは3年連続でトップをキープしており、世界で最も稼ぐユーチューバーと言われています。


8位 デュード・パーフェクト 年収2000万ドル

アメリカのダラスを拠点に活動する5人組のエンテ-テインメント集団デュード・パーフェクトは、登録者数5700万人の人気ユーチューバーグループ。もともと高校のバスケットボールチームで一緒だった5人は、昨年の3位から順位を下げたものの、ありえない場所からシュートを決めるなど規格外の神業ショットで博した人気は健在です。


9位 ローガン・ポール 年収1800万ドル

人気絶頂だった2017年の日本滞在中に、青木ケ原で撮影した死体の動画投稿で厳しい批判を浴びたローガン・ポールは、昨年6月に元世界王者フロイド・メイウェザー・ジュニアと対戦するなど現在はプロボクサーとして活躍しています。一方、ポッドキャストチャンネルが、この1年間の間にユーチューブ上で1億回以上再生され、最近も偽のポケモンカードに350万ドルを支払ってしまったという動画を投稿して話題にもなっています。


10位 プレストン・アーセメント 年収1600万ドル

最も稼ぐユーチューバーランキングの常連として知られるプレストン・アーセメントは、複数のチャンネルを運営しており、「マインクラフト」の実況動画で人気。最近は、「イカゲーム」の世界をマインクラフト内で再現した動画が話題になりました。

【千歳香奈子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「ハリウッド直送便」)