良い緊張感を保つのは大事なことだけれど、緊張し過ぎてうまくいくことはなかなかないですよね。皆さんも人前であがってしまって何をしゃべるか忘れてしまったり、声が裏返ってしまったことはありませんか? 私はあります。なんてったって、“初鳴き”で号泣しましたから…

トーク編24「メンタルレッスン~緊張編~」

 【前回までのあらすじ】アイドルやアーティストにトークをレッスンしている五戸。コラムでレッスン内容を公開中。トークの中身の話やコミュニケーション、そして前回からメンタルのレッスンです。

ニッポン放送アナウンサー時代、中継風にカレンダー撮影(2015年7月、有楽町・ニッポン放送1階玄関で)
ニッポン放送アナウンサー時代、中継風にカレンダー撮影(2015年7月、有楽町・ニッポン放送1階玄関で)

 “初鳴き”というのは、アナウンサーが初めて放送に出る時の業界用語。ウグイスが初めて鳴く時のように、大抵うまくはいきませんが、後々まで「初鳴きは~~だった」と言われ注目される放送です。

“プロ初日”ド緊張であ~大失態

 この“初鳴き”で、私は大失態をおかしました。屋外での中継コーナーで、自己紹介をしつつ天気などを伝える、ほんの5分ほどのものだったんですが、緊張し過ぎて、しゃべり出した瞬間から涙が出てきてしまったんです…。5分間ほぼ泣きながら中継しました。今思い出しても恥ずかしい…当時のリスナーの皆さま、大変失礼致しました…。

 そんな私も、度を超えて緊張をすることはなくなりました。アナウンサーとしてもう9年目になりますので、ド緊張していたらダメなんですけれども、メンタルの部分での成長も大きいと思うんです。

「GirlsAward2016」内「マドンナジャパン応援イベント」の司会を担当した五戸です(後列右端)。後方から、Da-iCEの皆さん、侍ジャパン女子代表・マドンナジャパンの皆さん、乃木坂46の衛藤美彩さん、北野日奈子さん、寺田蘭世さん(2016年4月、国立代々木第一体育館で)
「GirlsAward2016」内「マドンナジャパン応援イベント」の司会を担当した五戸です(後列右端)。後方から、Da-iCEの皆さん、侍ジャパン女子代表・マドンナジャパンの皆さん、乃木坂46の衛藤美彩さん、北野日奈子さん、寺田蘭世さん(2016年4月、国立代々木第一体育館で)

うまくやろうとしてはダメなんです

 まず、何においても「初めて」や「慣れていない」ことについては緊張しがちです。ではなぜ初めてだと緊張するのか。私は、「うまくやろうとしがち」だからだと思います。

 私の“初鳴き”もそうですね。新人は新人らしくやればいいのに、「ちゃんとやらなきゃ」と勝手に思って自滅していました。

 皆さんも、例えば受験や就職活動での面接で、自分をより良く見せようとして、いつもと違う言葉遣いや話の内容を意識してしまったことはありませんか? 「御社を志望した理由は…」なんて普段言いませんものね…。

「御社」? 普段通りの言葉遣いで

 緊張をとる方法その1は、ずばり「うまくやろうとしない」です。

 ピアノの発表会で、練習している時以上にうまくできる人はあまりいないし、陸上部の大会で記録が出る時も、スタートやフォームが本番だけはるかに良かったなんてことはほとんどありません。

 トークの場合は、“普段のしゃべり”とあまりにかけ離れて話そうとすると、当然緊張します。面接の時に、いきなり使っていない単語を使おうとすると、それだけで緊張してしまいます。

 「御社」という単語を使いたかったら、面接の前までになじむように使ってみる。もしくは、就職活動で「御社」という単語を使わなきゃいけないなんて法律はありませんので、「~~がやりたいから入りたいと思いました」と普段しゃべっている通りにしゃべる。

いまでは余裕(?)の笑顔でしゃべれる五戸です
いまでは余裕(?)の笑顔でしゃべれる五戸です

 面接の時だけうまく話そうとしてもそうは問屋が卸しません。うまくやろうとせず、失敗してもいいので、なるべくいつも通りに話せるように意識すると、緊張が和らぎます。(次回トーク編は第25回「メンタルレッスン~準備編~」です)

本日のごのへの・ご・ろ・く

うまくやろうとするな! 持っている以上のものは出せない!