高級ホテルに潜入捜査する刑事の新田(木村拓哉)と、ホテルマンの山岸(長澤まさみ)によるバディもの第2弾。大みそかの仮面カウントダウンパーティーに現れるであろう殺人犯を捕まえるため、さらに起こりうる殺人を阻止するための1日を描いた。

入れ代わり立ち代わり登場する客(誰もが怪しく見える)、警察側、ホテル側、俳優たちがとにかく豪華だ。目で追うだけで、忙しく楽しい。仕掛けが複雑なので、この人が犯人かな、というシンプルな謎解きに徹するのがいい。

木村と長澤のコンビネーションも安定して見ていられる。すべてを疑う刑事の目と、お客さまを信じることがベースのホテルマン。水と油の2人だが、思いや目的が同じであることを共有すると、バディ感が加速する。くすっと笑えるやりとりもあり、この2人をまた見たい、という思いになる。

展開にぐいぐい引っ張られ、没入した2時間9分だった。それに、何百人ものドレスアップした人々が仮面舞踏会を楽しんでいる。感染症の気配はもちろん見えない。いっとき忘れさせてくれ、エンターテインメントらしい力を感じた。【小林千穂】

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