どちらかといえば繊細な演技に定評のある生田斗真が、思いっきりはじけてきたシリーズ第3作にして完結編である。第1作から7年。潜入捜査官の玲二(生田)はヤクザのトップ轟(岩城滉一)を逮捕できるのか。そして義兄弟となった日浦(堤真一)との友情は。監督・三池崇史、脚本・宮藤官九郎のタッグがきっちりと区切りを付ける。

ド派手な衣装の着こなしやアクションのキレに3作目の手際よさは感じるが、変な慣れはない。叫ぶようなセリフに張りがあり、生田の変わらない全力投球を実感する。今回も全裸シーンが多い。「前張りだけで現場に入っても、女性スタッフさんのきゃ~というリアクションがなくなった」と明かすが、シーンごとに三池監督の小技が効き、生田が面白がって演じているので、鮮度は失われない。

初登場組では、今もっともインパクトのある鈴木亮平が敵役で怪演。滝沢カレンのストレートな色気と真っすぐな演技にちょっと戸惑う。演技巧者ぞろいのレギュラー陣も含め、三池演出を正面から受け止めて迷いがないので、気持ち良く笑える。ラストシーンにちょっとウルッときたのは私だけだろうか。【相原斎】

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