女性を外見でしか評価しない男どものルッキズムを切り刻み、返す刀で自らの老いへの恐れも隠さない。年齢を理由に一線を追われるスター女優役にデミ・ムーアが体を張っている。

元トップ女優のエリザベス(ムーア)は50歳を機に唯一のよりどころだったエアロビクス番組の降板を申し渡される。あきらめきれずに怪しげな再生医療「サブスタンス」に手を出すと、彼女の体から若き分身スーが生まれる。2人は1週間ごとの交代が絶対条件だが、若いスーがこれを破るようになり、エリザベスの体に異常が生じ始めて…。

スタイリッシュな映像は、しだいにおぞましいホラーのにおいを強めていく。前作「リベンジ」に女性の怨念をたたきつけたコラリー・ファルジャ監督は、今回も想像の先を行く。あまりの惨劇に思わず笑う。

スー役は勢いに乗るマーガレット・クアリーで、ムーアと裸体をぶつけ合う文字通りの新旧トップ競演に息をのむ。

ルネサンスにかけて「デミッセンス」という造語も生んだ62歳のムーアの怪演に改めて感服した。プロデューサー役デニス・クエイドの嫌な感じが、作品のアクセントになっている。【相原斎】

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