日本にないのなら、みんなでレシピをつくっちゃえ-。日本初のヴィーガン料理のレシピ検索・投稿ができるウェブアプリ「V-cook」が7月1日からスタートしました。ヴィーガン? 聞き慣れない人も多いかもしれませんが、ヴィーガンとは動物性食品を一切食べない英国発祥のライフスタイルで、日本では「健康的な食事」としても注目されています。「V-cook」を運営するNPO法人日本ヴィーガンコミュニティーの代表理事を務める神戸大の工藤柊さん(20)に話を聞きました。

「正直、僕もヴィーガンになって最初の1カ月は何を食べていいのか分からなかった。ひたすら水炊きの白菜をポン酢につけて、それをおかずに白米を食べていました」

ヴィーガンはベジタリアンの一種で、肉、魚、卵、乳製品、ハチミツなど一切の動物性食品を食べないライフスタイルです。近年は日本でもヴィーガン料理への関心が急上昇。健康志向の女性や若者、病気をきっかけに食生活を見直す中でヴィーガンになった人もいるそうです。

ただ、いざヴィーガンになろうとしても、肉や魚なしの、どんな料理を食べていいか分からず、途方に暮れてしまうこともあるそうです。

工藤さんは自らの体験を振り返りながら「1カ月ぐらい過ぎたとき、世の中にはおいしいヴィーガン料理がたくさんあることを知りました。正直、もっと早く知りたかった」。

新しくスタートした「V-cook」は、この思いが原点です。当初は1人で活動していた工藤さんですが、工藤さんの呼びかけで同じ思いを持つ仲間が集まってきました。現在、日本ヴィーガンコミュニティーには大学生、社会人ら約75人のメンバーがいます。

「みんなで協力し、知恵を出し、課題を解決していこう」。昨年2月からアイデアを出し合い、議論を重ねました。試行錯誤の末にかたちとなったのが「V-cook」でした。「みんなでつくるオンラインのヴィーガンレシピ集です。投稿もできます」と工藤さん。ヴィーガン歴10年以上のベテランでも最初は「何を食べたらいいのか…」と悩み、時間をかけて、限られた食材でおいしく食べるコツを編み出したはず。ベテランの「スゴ技」をみんなで「共有」できるのも「V-cook」。

使いやすいように工夫もこらしています。例えば「きょうは何を食べようか?」と迷ったとき、ジャンルや素材、料理名からヴィーガンレシピを検索することができます。豆腐、ゴボウがメインの「和風ハンバーグ」などレシピも豊富です。

「この料理をみんなに食べてほしい」。登録すると、だれでもオススメの料理のレシピを投稿することができます。さらに「他のヴィーガンの人とつながりたい」。そんなときは、登録した人同士でコメントを送りあえたり、それぞれのアカウントページから他のSNSでつながることができます。

関西発の新サービス。もちろん、無料です。「ヴィーガン界に革命を起こすサービスになる予感です」と工藤さん。その自信の裏側には「共助」という熱い思いがあるからかもしれません。【松浦隆司】(ニッカンスポーツ・コム/コラム「ナニワのベテラン走る~ミナミヘキタヘ」)