将棋界で58年ぶりに年度最高勝率の大記録更新があるかもしれません。名前から「忍者」の異名があり、棋士仲間からは親しみを込めて「ハットリ君」と呼ばれている服部慎一郎六段(25)は、驚異の勝率8割9分5厘と勝ちに勝ちまくっています。
先日、名古屋市で行われた第18回朝日杯オープン戦の本戦トーナメント準々決勝では、藤井聡太7冠(22)に勝利し、ベスト4に進出。絶対王者からの「大金星」で勢いに乗る新鋭は、24日に行われた第96期棋聖戦2次予選でも石川悠太五段に勝ち、初の決勝トーナメント進出を決めました。
24日時点で本年度の対戦成績は34勝4敗、勝率は8割9分5厘。白星を量産し、中原誠16世名人(77=引退)が67年度に記録した47勝8敗、8割5分4厘の年度最高勝率の大記録を58年ぶりに更新する可能性も現実味を帯びてきました。
レジェンドの大記録に服部六段は「まだ2カ月ある。目の前の一局一局に集中していきたい」と前を見据えます。
「大金星」には「正直勝てるイメージはなかった。驚いている」と興奮を隠せませんでしたが、7冠を保持する最強王者とは「長い(持ち時間の)棋戦でも対戦できるよう頑張りたい」と話し、タイトル戦の大舞台で再戦することを目標に掲げました。
昨夏、服部六段は冨田誠也五段とのコンビ名「もぐら兄弟」で、「M-1グランプリ」1回戦に挑戦しました。将棋界からはM-1への参戦は初めてでした。「何やってんだ」の厳しい声もありましたが、本業の将棋で負けられないというプレッシャーをバネにし、将棋に向き合う時間にメリハリをつけたといいます。
「M-1棋士」が忍者のようにひたひたと、年度最高勝率の「頂点」を狙います。【松浦隆司】(ニッカンスポーツ・コム/コラム「ナニワのベテラン走る~ミナミヘキタヘ」)




