乃木坂46の佐藤楓(23)が、24歳の誕生日を迎える23日発売の29枚目シングル「Actually…」収録のアンダー曲「届かなくたって…」で、自身初のセンターに立つ。25日から3日間、横浜・ぴあアリーナMMで行われる「29thSGアンダーライブ」で初座長も務める。加入6年目の成長。意識の変化と自覚の芽生えを明かした。

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驚きとともに知った初センターだった。「今回のポジション表を伝えられて、最初自分を見つけられませんでした。いつかフロント(最前列)には立ちたいと思っていましたけど、まさかセンターとは1ミリも思っていなかったです」。メンバーや卒業生から祝福されたという。「梅澤(美波)、阪口(珠美)、岩本(蓮加)とかも喜んでくれました。(大園)桃子からも連絡が来て。(渡辺)みり愛さんとか若月(佑美)さんとも話しました。うれしかったです」と感謝した。

「多分、一昔前の私だったら『どうしよう』『私なんかで大丈夫かな』という気持ちのほうが大きかったと思うんです。でも去年から選抜のポジションに代打で入れさせてもらうことや、ソロで番組に出させてもらうことも増えてきて、責任感も感じた上での今回だったので、堂々としっかりしなきゃと思うし、根拠のない自信は湧いてきたかもしれません(笑い)」

「届かなくたって…」は、クールでエネルギッシュな重低音が特徴のナンバー。「疾走感があってダンスも激しいですし、存分にパフォーマンスで爆発させたいです」。センターでのダンスについて「いつもは『見つけてね』と言っていたんですけど、今回は見つけようとしなくても1番に目に入る所にいるので、ファンの方に恩返しができるのがうれしいですし、初めて見るという方にも私のパフォーマンスを伝えたいです」と前向きだ。

16年9月加入の3期生。高い身体能力でTBS系「オールスター感謝祭」のミニマラソンに参加し、昨年12月放送のTBS系「SASUKE」にもグループで初めて出演。駅伝好きでも知られる。「届かなくたって…」のミュージックビデオでは海岸沿いを全員で走るシーンがあり、先頭を切っている。「撮影の日は1日中走っていた気がします。スタッフさんから『真剣なまなざしで』と言われたので、とにかく真剣に、明日に向かって走りました。寒かったけど、青春ですね」と笑った。

恒例の「アンダーライブ」で座長にも初挑戦する。「今まで見てきた先輩方みたいに、背中で引っ張っていきたいです。後輩も増えたので、態度でちゃんと見せつつ、気になることがあったら積極的に言うようにしています。『やらなきゃ』っていう使命感が今は強いです」と明かした。

「先輩も少なくなって、1年前とは景色もガラッと変わりました。私も2、3年前だったらまだ後輩気分で、こんなことも言えなかったと思います。乃木坂もいろんな方向に変わっていくし、いい変化だと思うんですけど、その中には変わらないものもあると思う。アンダーライブもそのうちの1つで、その熱量とか、ファンの方との一体感とか、メンバーの心が1つになる瞬間とか、そういう1つ1つを大事に引き継いでいきたいと思います!」

確かな成長に背中を押され、全力で駆け抜ける。【取材・構成=横山慧】

◆佐藤楓(さとう・かえで)1998年(平10)3月23日、愛知県生まれ。16年9月加入の3期生。愛称「でんちゃん」。18年11月発売のシングル「帰り道は遠回りしたくなる」で初選抜入り。161センチ。血液型A。

MVで話題となった力走シーンを再現する佐藤楓(撮影・小沢裕)
MVで話題となった力走シーンを再現する佐藤楓(撮影・小沢裕)
MVで話題となった力走シーンを再現する佐藤楓(撮影・小沢裕)
MVで話題となった力走シーンを再現する佐藤楓(撮影・小沢裕)