櫻坂46尾関梨香(24)がラストインタビューに応じ、7年間の活動を振り返った。11日開催のファンイベントをもってグループから卒業する。一期生としてのグループ愛、後輩への思い、ファンへの感謝。最後まで「尾関スタイル」を貫いた優しい心の持ち主が、アイドルの制服を着納めた。

「尾関スタイル」がファンからも親しまれた尾関梨香(撮影・中島郁夫)
「尾関スタイル」がファンからも親しまれた尾関梨香(撮影・中島郁夫)

「制服を着るのは今日が最後なんですよ」。名残惜しそうだが、表情は終始晴れやかだった。先月20日、山梨・富士急ハイランドコニファーフォレストで野外ライブ「W-KEYAKI FES. 2022」で卒業セレモニーを終えた。「正直今はホッとしています」。7月にメンバーの新型コロナウイルス感染を受けて中止。スタッフらの尽力もあってこぎつけた振り替え公演だった。

「同じ場所で翌月に振り替え公演って、あまり聞いたことがない気がします。原田(葵)と一緒に『富士急でやれるとは予想もしてなかったね!』って喜びました。最後に笑顔で終われてよかったです」

15年8月、欅坂46(現櫻坂46)に一期生として加入。テレビ東京「欅って、書けない?」や「そこ曲がったら、櫻坂?」では、独特の走るフォームや感性を披露。MCの土田晃之(49)ハライチ澤部佑(36)から「尾関スタイル」と呼ばれ、ファンからも親しまれた。「あの言葉のおかげで助かりました。あのおふたりの愛情ですよね。今も『尾関スタイル』は変わらないので、卒業後も変わらないと思います」と笑った。

20年にグループ改名を経験。後輩の二期生たちも台頭している。「今は本当に二期生に託せるという自信があるので、安心して卒業できます」とほほ笑んだ。

7年間を振り返り「今一番にパッと出てくるのはデビュー前(16年3月)の、デビューカウントダウンライブです」と回想した。「東京国際フォーラムで、1人1人がステージにせり上がって自己紹介して。過去イチ緊張しました。初ライブで、当時はなんか異世界にいるみたいでした」と懐かしんだ。

「ライブ1つにしても、7年間でようやく世界観やセットリストのこととかを考えられるようになったし、今は緊張よりもそっちが勝っています。作品の制作も正直毎回本当に大変でしたけど、終わった時はみんな達成感であふれていました。これからもずっと、作品に対する思いを強く持ってほしいですし、決して忘れないで引き継いでいってもらいたいです」

卒業後は芸能関係の仕事から離れるという。「1回グループを客観的に見たいというのもあります」と説明。「この世界以外のものに触れる機会がなかったので、いろいろなことをしてみたいです」と話した。

「今はやりきったな、という思いで悔いはないです。応援してくださった方々には感謝しかありません。ライブや握手会に来て応援するって、簡単なことではないと思うんです。7年間でいただいた思いや愛情を、この先の人生で無駄にしないようにしたいです。そして、私のファンだったという方もぜひ『箱推し』(グループ全体のファン)になってください! 私もこれから箱推しで応援していきますので(笑い)」

心優しいムードメーカーが、愛であふれた7年間を締めくくる。【取材・構成=横山慧】

沢山の思い出を振り返った尾関梨香(撮影・中島郁夫)
沢山の思い出を振り返った尾関梨香(撮影・中島郁夫)

◆尾関梨香(おぜき・りか)1997年(平9)10月7日、神奈川県生まれ。特技は書道。愛称「おぜちゃん」など。19年4月からニッポン放送「櫻坂46 こちら有楽町星空放送局」のメインパーソナリティーを約3年間務めた。156・5センチ。血液型O。