女優小松菜奈さん(25)と結婚した俳優菅田将暉さん(28)が今週(15日深夜)、ニッポン放送「菅田将暉のオールナイトニッポン」でファンに生報告しました。オードリー若林正恭、岡村隆史、星野源ら3氏もANNで結婚を発表しましたし、今週は乃木坂46新内眞衣さん(29)も番組内で卒業を発表。売れっ子の“重大発表”の場として、ラジオの存在感が増しています。

テレビのバラエティー番組などでサプライズ発表したり、一部始終を番組企画にしたりする時代とは隔世の感があります。リスク過多で受け手の視線がどこにあるのか実感しにくいテレビより、ファンとの貴重な接点であるラジオでダイレクトに伝えたいという流れ。今や改編期で番組を持つことになったタレントは口をそろえて「ラジオを持つのが夢だった」と語りますが、デジタルな時代に、アナログなラジオが逆にステータスになっているんですよね。

視聴者を「皆さん」と呼ぶテレビと違い、ラジオは「あなた」。タレントとファンにとっては、声を通して1対1でつながっている感覚を味わえる貴重なメディアです。リスナーだけが分かる符丁や、番組内有名人の存在など、お互いちょっとした密室感覚を共有でき、呼び掛ければその場でファンのレスポンスが届くのもテレビにはない魅力。ギャラの安さには定評がありますが、明石家さんま、爆笑問題、ジャニーズアイドルなど、売れている人ほどラジオを手放さないのは、この双方向の実感と、テレビでは得にくい圧倒的なホーム感にあるのだと感じます。

ついでに言えば、コロナ禍でも「いつも通り」というのもラジオの強み。アクリル板やディスタンス、リモート画面の混在など、テレビのように見た目に大きく影響を受けることがなく、通常運行が可能です。石田純一さんがコロナ感染した際には文化放送のレギュラー番組が経過報告の場になりましたし、渡部建さんの不倫騒動ではJ-WAVEが激アツに。辛坊治郎さんのヨット太平洋横断では、レギュラーを持つニッポン放送が朝から“独占生放送”でゴールを伝えたのも記憶に新しいところです。

昨年の緊急事態宣言以降、リスナー自体も増えており、ラジオ業界も「心強い相棒に」(ニッポン放送檜原麻希社長)と燃えているところ。リスナーにとっての「心強い相棒」と理解していましたが、タレント側にとっても心強い相棒なのかもしれません。

【梅田恵子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能記者コラム「梅ちゃんねる」)