「他人のけんかに首を突っ込むことを美しいと思う人が、国を動かしている」。原発再稼働や安全保障関連法案など、安倍政権の方針に反対する異色の女性アイドルグループ、制服向上委員会のメンバーが28日、東京・日本外国特派員協会で会見し、安倍晋三首相の方針を厳しく批判した。

 会見にはメンバー4人と、元メンバーの橋本美香(35)の計5人が出席。現役メンバーの斎藤優里彩(18)は「日本政府は、原発を再稼働しようとしている。戦争法案も(衆院で)強行採決された。平和な日本を持続させるため、アクティブに行動したい」と強調。「私たちをきっかけに皆の心が動き、社会が変わっていけばいい」と話した。

 斎藤乃愛(15)は、「よく『子どものくせに』と批判を受けるが、何も言わないことは賛成意見と同じ。戦争経験のない私たちでも、意見は言える。積極的に意見を言っていきたい」と、訴えた。

 橋本は、サブカルチャーの研究者からグループの立ち位置についての質問を受け、「(アイドルの)形はいろいろある」と答えた。「日本のアイドルといえば、かわいい歌を歌って、皆にあこがれられる存在。でも、私たちはいろんなことを発信することの大切さを感じながら、アイドルをしている」と強調。また「(アーティストが)社会活動やボランティアに取り組むことは、特別なことではない。いろんな思いを、もっと発信したい」と、意欲をみせた。

 同グループは1992年に結成。メンバーが入れ替わりながら活動し、今年で通算23年になるという。会見場では、メンバー4人がオリジナル曲「ダッ!ダッ!脱・原発の歌」を、ダンスとともに披露した。

 質疑応答では、会見の模様を中継していたインターネット動画で、脱原発の歌を歌ったパフォーマンスの部分で音声が消えたと、指摘がなされた。橋本は「理由は分からない。自主規制なのか、他の理由なのか」とした上で「日本では、何か政治的な発言をすると批判的な言葉を浴びせられるが、世界に目を向けると、たくさんの発言をしているアーティストもいる。普通のことなんです」と話していた。