宝塚歌劇団雪組の和物ミュージカル「星逢一夜(ほしあいひとよ)」の新人公演が4日、兵庫・宝塚大劇場で行われた。

 新人公演3度目の主演となる月城かなとは舞台で「非常にハードルの高い作品です。精いっぱい演じたい」とあいさつ。気持ちを込めて挑んだ。

 舞台では江戸幕府8代将軍徳川吉宗に抜てきされた九州の小藩の藩主、天野晴興を演じた。吉宗の期待に応えようと、財政難解消のため厳しい年貢の徴収など改革にを進めたが、故郷の民も苦境に追い込み、苦悩する。演技力が求められる男役だ。

 終演後、伸び盛りの7年目スターは「それぞれの作品に難しさがある。これまでとはまったくカラーの違う役で主演をさせていただいた。すごく幸せです」と笑顔を見せた。ただ声の調子が万全ではなかったことには「東京公演でリベンジできるように頑張りたい」と意気込んだ。

 初ヒロインの彩みちるは「大きな役をさせていただき、これまでの人生で一番の経験をさせてもらった」と感極まって涙を見せた。子どものとき、晴興とともに星をながめ、恋心を抱く村の娘役を演じた。大人になり、身分の違いに苦しむ役柄だ。「子どもから大人までその過程を1時間で表現しなければいけないのは難しかった。ただ課題も分かった。東京公演に向けて1日1日を充実させたい」。東京宝塚劇場の新人公演は9月17日。月城とともにリベンジを誓った。