V6岡田准一(35)が1日、都内で行われた主演映画「エヴェレスト 神々の山嶺」(平山秀幸監督、12日公開)の試写会イベントで新社会人にエールを送った。芸能界入りしてからの経験を踏まえ、今年春から新生活を送る男女150人に「社会人としての心得」を説いた。写真撮影の時間には感激のあまり、泣きだす女子大生もいた。

 「前人未踏の挑戦」を描いた作品にちなみ、4月から挑戦を始める新社会人が招待された。大歓声で迎えられた岡田は「この映画はエベレストへの挑戦がテーマ。皆さんも4月から挑戦されていくんだと思います」とあいさつした。

 14歳の時、番組オーディション合格でジャニーズ事務所入りしてわずか3カ月後にV6メンバーとしてデビューした。ダンスや歌のレッスンを十分に積んだメンバーに囲まれ「僕1人だけ踊れない」とコンプレックスを抱えたまま芸能活動を続けた経験がある。その後、不断の努力を重ね、トップスターの仲間入りを果たした。参加者は「成功者」の言葉1つ1つに何度も大きくうなずいていた。

 アドバイスは、主に3点あった。まずは「最初はしんどい」。デビュー直後にV6メンバーとドラマに出演した。一番怒られたのは最年少の岡田だった。「芝居をしながらモニターを見たりして、助監督さんからいつも『岡田~!』と怒鳴られて。最初の3年くらい覚えてない。怒られて続けていた。20代はしんどいことが多く、悔しいこともあるかと思いますが、誰もが経験することです」。

 もう1つは「謙虚でいることの大切さ」。19歳の時にドラマ「反乱のボヤージュ」で渡哲也(74)と共演した。「現場で初めてお会いした時、渡さんから『岡田さん、よろしくお願いいたします』と頭を下げてあいさつをしていただきました。そういう謙虚な方だからこそ現場の信頼を得て主演としてしっかり立っているんだなと思いました」。

 最後は「仕事の意図や意味を知る」。「上司やクライアントの言うことには意図がある。自分の仕事が何かの役に立っている、と考えるだけで仕事が楽しくなる。その先には、きっと誰かの笑顔がある。20代はそれを探す時期」。

 写真撮影の時に涙を流す学生もいるなど新社会人は大きな刺激を受けた様子だった。岡田は「前向きにできるだけたくさんの方といい関係を築いて」とエールを送って、笑顔で手を振りながら退場した。【横山慧】