AKB48グループや乃木坂46、欅坂46を手掛ける秋元康氏(58)が、エイベックスで「劇団」をプロデュースすることが27日、分かった。演劇や歌、ダンスを中心とする劇団で、今月下旬から劇団員の募集をスタートさせ、12月にメンバーを決定する。初公演を来年2月から3月にかけて開催する予定だ。

 放送作家や作詞家として活躍しながら、女性アイドルグループのプロデュースで成功を収めた秋元氏が、浜崎あゆみら多くの人気アーティストを抱えるエイベックス・グループ・ホールディングスの松浦勝人社長(51)から新プロジェクトの依頼を受け、「劇団を作ろう」と決心した。秋元氏は「旧来親交のあった松浦と2人で話し合った結果、性別を問わず、15歳以上の役者志望の方々を全国から募集して『やってみなきゃわからない』という挑戦的な気持ちをコンセプトにした劇団を発足することにしました」と話す。

 個性的な集団になれば、将来的には俳優業だけでなく、グループでの音楽活動などの可能性も考えているという。

 秋元氏の演劇への造詣は深い。80年代後半にブロードウェーのあるニューヨークに住み、AKB48がブレークしてからのここ数年間も、ニューヨークやロンドンに頻繁に飛び、世界の最先端の演劇やミュージカルを視察し続けてきた。最近も常々「タレントではなくて、お化け屋敷やショーなど、箱ものを手掛けてみたい」と話していた。

 エンターテインメント業界では現在、CD不況やテレビ視聴率の伸び悩みなどもあって、コンサートや舞台など、いわゆる「生もの」は、より確実に利益を生み出すビジネスとして注目度が高まっている。EXILEグループも「劇団EXILE」を持つなど、演劇界は群雄割拠の時代に入っている。AKB48でアイドルグループの常設劇場というビジネスモデルを成功させた奇才が、本格的に殴り込みをかける。