鉄人タレント間寛平(67)は、8年ぶりにフルマラソンに挑み、沿道の声にギャグでこたえながらも、4時間25分9秒(ネットタイム)で完走した。

 「昔と違って、おじいちゃんのケツ(お尻)になってるから、練習がきつかった。でも、大阪のお客さんて、ギャグして、言うたか思えば『はよ行け』『止まったらしんどいぞ』とか、めっちゃ声、くれるから、めちゃくちゃ進んだ」

 フルマラソンは、世界一周のアースマラソン(08年12月17日~11年1月21日)のスタート直前に出場した米ホノルルマラソン以来、約8年ぶり。アースマラソン完走後は「もうフルは走らん」と言っていたが、今回、大阪マラソンに新設された大会PR活動推進隊「なないろチームリーダー」に任命され、42・195キロを選んだ。

 「おれも67歳になって、自分にもう1回挑戦してみよかな、と。飛行機とか乗っても、おれらの世代のおっさんって、文句ばっかり言うてて、あんなオッサンになりたない、思うて」

 わがままな振る舞いをする同世代を見て、自らに新たなノルマを課すことにした。ところが、体は「オッサン」だった。

 「6月ごろから、5~6キロ走るようにして、と、プラン立てたけど、ケツがおじいちゃんになってるから、走られへん。9月ごろにやっと10キロほど走るようになって…」

 世界一過酷なスパルタスロンも完走した鉄人をもってしても、肉体年齢との闘いはシビアだった。

 「10月入ったら、夜の仕事ばかりになった」と嘆きつつも、そこは鉄人。逆転の発想で、未明に帰宅したらそのまま、午前の早いうちに自宅の兵庫県宝塚市内から同尼崎の園田競馬場まで走るようにした。

 趣味の馬券を買うため、オープン時に間に合うように、自宅から走っていたという。「2レースほどやって、帰りはタクシーで帰って、夕方から仕事」だったといい、競馬は負け続きで、馬券代とタクシー代の出費はかさんだが、必然的にトレーニングになっていたようだ。

 「おかげかどうか、目標は4時間50分やったけど、早すぎるいうて、ペース落としたぐらい。早すぎたら、足にくるから」

 豊富なレース経験を生かし、余裕をもってのランニング。ただし、余裕がありすぎたためか「ファンの人がギャグやって、言うから、ずっとダチョウ(カマキリのような腰をかがめて、手を出すしぐさ)やってたら、しんどい、しんどい…」と苦笑。ときには立ち止まって、ギャグも披露するなど、サービス精神旺盛な寛平らしいランとなった。

 「そのせいかな。今、もう股関節、外れそうや。あ? これ、ギャグのせいか! 来年、走ったら、もうギャグはやらん!」と話していた。