「大阪名物パチパチパンチ」などのギャグで知られた吉本新喜劇の島木譲二(しまき・じょうじ)さん(本名・浜伸二=はま・しんじ)が16日午前9時6分、脳出血のため大阪市内の病院で死去した。72歳だった。糖尿病を患い、11年2月から治療に専念していた。通夜は17日午後7時、葬儀告別式は18日正午から大阪市淀川区野中北1の1の77、新大阪典礼会館で行われる。喪主は妻昭子(あきこ)さん。

 平手で胸をたたく「大阪名物パチパチパンチ」や灰皿を使った「ポコポコヘッド」などの体を使ったギャグで人気だった。最後の出演は10年12月26日、大阪・なんばグランド花月。50代のころから糖尿病に悩まされたが、体格を生かしたギャグがキャラクターだったために仕事を優先。11年1月に大阪市内の病院へ治療に通い、療養専念を勧められ、同2月から休養に入っていた。島木さんを知る関係者は「腎臓の数値が悪化している」と話した。肝機能も良くなかったといい糖尿病による全身症状と闘っていた。所属事務所によると、この日は自宅にいたが様子に異変があり、病院搬送後に体調が急変したといい「最期は奥様にみとられました」と説明した。

 プロボクサー出身で西日本ミドル級新人王を獲得。その後、お笑いタレント転身を目指した。大阪の毎日放送(MBS)で警備員の仕事を始め、その縁で新喜劇入り。80年代末に新喜劇で初舞台を踏んだ。こわもての外見とギャップのある明快なキャラクターや体を張ったギャグで人気を獲得し、舞台で中心的な役割も果たした。新喜劇仲間にも慕われ、後輩からもいじられていた。

 「アリナミンV」のCMでは池乃めだか(73)とともに米俳優アーノルド・シュワルツェネッガー(69)と共演。米映画「ブラック・レイン」にも出演するなど活躍の場も広げた。【村上久美子】

 ◆島木譲二(しまき・じょうじ)1944年(昭19)9月13日、兵庫県生まれ。高校卒業後、プロボクサーとなり、西日本ミドル級新人王を獲得。警備員などを経て80年に吉本興業入り。舞台やテレビで活躍したほか、映画やテレビにも進出し、高倉健主演の映画「ブラック・レイン」にも出演した。