デヴィ夫人が「週刊ポスト」に虚偽の記事を書かれ名誉を傷つけられたとして、発行元の小学館に2100万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決で、東京地裁は10日、「記事は真実と認められない」と指摘し、小学館に90万円の支払いを命じた。

 2014年2月10日発行の週刊ポストは、同1月に東京都内であった故淡路恵子さんの告別式に参列したデヴィ夫人が、ひつぎの中から形見の着物を引っ張り出そうとしたとの記事を掲載した。

 沢野芳夫裁判長は「情報提供者への記者の電話取材は十分と言えない」と述べ、取材結果を真実だと信じるだけの理由もなかったと指摘。一方で「社会的評価の低下は大きくない」と謝罪広告の掲載は認めなかった。

 デヴィ夫人は「裁判所が名誉毀損(きそん)を認めたのは当然だが、賠償額が90万円にとどまったのは非常に甘い」とのコメントを出し、控訴を検討中だとした。週刊ポスト編集部は「主張が十分に受け入れられず遺憾。判決内容を精査の上、対応する」としている。