アニメ「けものフレンズ」を舞台化した「舞台けものフレンズ」が14日、東京・品川プリンスホテル クラブeXで開演した。

 開演前に同所で囲み会見とゲネプロが行われ、脚本と演出を担当した村上大樹氏が、アニメオリジナルキャラのかばんちゃん(声・内田彩)が登場しないなど、アニメとは違うオリジナルストーリーとなった舞台版の魅力を語った。

 まず、村上氏は「3月に大人気のまま終わって、ブームが真っ最中の『けものフレンズ』を、これだけ速くいきなり舞台化ということで、かなり集中して何をやるかをギュッと決めてキャストの皆さんに集まっていただきました。全部が時間との闘いの中で、ようやく初日を迎えることが出来てワクワクしている状態です」と感想を言い、その上で舞台について説明した。

 <1>見どころ 何と言っても、あのアニメの世界を、どういうふうに舞台にするかに尽きると思う。元々と設定が違うというか、かばんちゃん…人がいない中で、どういう世界になるのか、というのをオリジナルで描いている。アニメと違うところも出てくるんですけれど、舞台上で皆さんにフレンズをやっていただいて、どういうストーリーを紡ぐのか、ドラマ、舞台が展開していくのかが1番の見どころかなと。

 <2>役者の魅力 声優陣の皆さんが、本当に声が一緒というだけじゃなくて、稽古をやっていくにつれてキャラクターそのものに、どんどんなっていった。モノマネをやるということじゃなくて、ご本人が全身を使ってフレンズを表現している。そこが何より1番、楽しいかなと。一緒になってやっている舞台役者も、今、若い女優さんの中でも「けものフレンズ」に絶対に出てほしい人が大体集まった。これだけのフレンズが歌って踊る様は壮観。

 <3>狙い 2次元のものをマネして追って何かを作るろうというのじゃなくて、3次元になった時に「ジャパリパーク」がどういう風になって、どんな楽しいことが起きるのかを考えて作った。アニメを見て好きになった人も、いっぱい来ると思うんですけど、舞台ってこんな風に楽しめるんだとか…「ジャパリパーク」を体感、体験できるのは、ここでしかないこと。特別な経験を、ぜひしに来ていただけたらなと思います。

 作品に出てくる「こはん」などのエリアを、舞台上のセットを転換して表現するが、舞台の左右に作品世界の地図を配置し、分かりやすくしつつ、観客が世界観に入りやすい工夫がなされていた。また観客も楽しめる仕掛けも流れの中で幾つかあり、作品の世界を実体験できる、貴重な機会となりそうだ。【村上幸将】