横綱白鵬が負けて万歳する観客に苦言を呈したデーモン閣下が、異文化に溶け込もうと孤軍奮闘している人物への思いをつづった。

 好角家で知られるデーモン閣下は、史上最多の通算勝ち星を挙げた横綱白鵬を特集した24日放送のNHK「クローズアップ現代+」に出演。白鵬が日本人力士との取り組みで敗れた際、客席に万歳が起きたことについて「感謝しなければならないのは日本人の方でしょって思いますよね。あれだけ相撲界が苦難の時に一生懸命屋台骨を支えて頑張ってきた白鵬に、ファンはああいう態度かよと。吾輩、日本人はもうちょっと了見の広い気持ちで白鵬のことを見てやれないといけないと思うし、北の湖がいくら強かったからといって、負けてバンザイは出ませんでしたよ。イチロー選手がメジャーリーグで何かやった時にブーイングが起きたら悲しいですよね。そういうことを思って相撲を見ていかないといけないんじゃないか」と相撲ファンに苦言を呈し、白鵬をおもんばかった。このコメントはネット上でも大きな反響を呼んだ。

 反響を受け、27日にブログを更新。小学生時代に米ニューヨークの学校に転校するなど、これまでに自身が異文化の洗礼を受けてきた経験から「異界から来て異文化に溶け込もうと孤軍奮闘している人物を見ると、無意識に応援したくなるようだし、『どこの国の出身であろうが頑張っている人を頑張ったなりに評価すべきだ』という発想になるし、逆に無神経な(実はそんなに悪意は無いのかも知れないが)『排他的な言動』には嫌悪感を抱く」との思いを語った。

 それでも「『おらが故郷の同胞だから、その人(組)をひいき目に応援する』気持ちは無論理解している」というデーモン閣下。そう前置きした上で、「『ひいき目に応援する』のは自由だが、だからといってひいきでない相手を(特にその相手が己ではどうしても解決できない理由の部分において)傷つけて良い、ということでは無いのではないか?、とも思っているのである」とつづった。