来年1、2月の東京・歌舞伎座の襲名披露興行で2代目松本白鸚を襲名する松本幸四郎(74)、10代目幸四郎を襲名する市川染五郎(44)、8代目染五郎を襲名する松本金太郎(12)が3日、銀座の和光で、襲名記念展のオープニングセレモニーに出席した。

 36年前、初代白鸚さん、幸四郎、染五郎が、今回のように親子孫3代で襲名した時も、同所で記念の展示が行われており、幸四郎は「感無量です。3人の魂の入った懐かしい、いとおしい品々ばかりです。来年の襲名への励みにしたい」と話した。

 染五郎は「これまでの私を展示させていただいています。これまでのことが間違いでなかったと証明するために来年1月から幸四郎として務めてまいりたい」と語り、3人は特大パネルにした押し隈(くま)に、新しい名前を書き入れた。

 記念展には、3人の歩みを記録した舞台写真、高麗屋代々の当たり役「勧進帳」の弁慶の衣装や小道具、楽屋で使う鏡台など、約150点が展示されている。会期は9日まで。

 また、この日、来年1、2月の東京・歌舞伎座での披露興行の演目が発表された。

 1月「寿初春大歌舞伎」(来年1月2~26日)は、幸四郎あらため白鸚が昼の部「菅原伝授手習鑑(てならいかがみ) 寺子屋」で松王丸を、染五郎あらため幸四郎が「車引」で松王丸、夜の部「勧進帳」で弁慶を演じる。金太郎あらため染五郎は同演目で義経を演じる。

 「二月大歌舞伎」(来年2月1~25日)の夜の部「仮名手本忠臣蔵 祇園一力茶屋の場」で、白鸚が大星由良之助、染五郎が力弥を演じる。幸四郎は昼の部「一條大蔵譚(ものがたり)」で一條大蔵長成を、夜の部「熊谷陣屋」で熊谷次郎直実を演じる。

 父染五郎の名を継ぐ金太郎は「高麗屋にゆかりある役で襲名させていただくことをうれしく思います」とあいさつした。