女優真矢ミキ(53)が主演するフジテレビ系の連続ドラマ「さくらの親子丼」(7日スタート、土曜午後11時40分)の制作発表が4日、都内で行われた。真矢が演じる九十九さくらは、古本屋「九十九堂」で家出少女など訳ありの人間に、探ることなく無料で親子丼を食べさせ見守るシングルマザー。理想の上司に選ばれるなど、正義感が強い真っすぐ役が多い真矢だが、ラフなジーンズ姿で酒を飲み酔って声を荒らげるなど、今までとはひと味違った役柄だ。

 真矢は「撮影に入って1カ月間。1カ月間、親子丼を作り続けてます。(司会を務める)朝の番組(TBS系『ビビット』)と昼からのドラマ撮影。この秋は、本当に充実しています」と笑顔を見せた。役柄と自身の共通点を聞かれると「正義感と勇気かな。衣装ががラフなんですが、スタジオ入りする時とほぼ変わらない感じ。今までババアと言われたことはなかったんですけど、このドラマでババア、オバサンと言われまくってます。こうして、人は大人になるんだと痛感しました」と話した。

 撮影前に親子丼を作って、夫でバレエダンサーの西島数博(45)に食べてもらった。「えらいことになっちゃたんですけど(笑い)。ドラマとは知らずに、すごくうれしそうに(できあがるのを)待っててくれて、一石二鳥でした」と話した。

 また、思い出の食事を聞かれると、アフリカに2週間、ロケで滞在して帰国した際に西島が作った野菜スープを挙げた。「2週間、毎日、朝昼晩とミートソースで、多国籍な味を求めていたんです。男子厨房(ちゅうぼう)に入るべからずという夫が、不器用ながら全部みじん切りにしてスープのようなものを作ってくれました。人のぬくもりを感じておいしかったです」と話した。

 月曜から金曜の朝に「ビビット」の司会をするようになって、2年半がたった。ハードスケジュールの合間に塾に通いながら勉強して、今年8月に高校卒業認定試験を受けて5教科に合格した。「弱音が2回くらい出てきて、『どうせ受からない!』と逆ギレして授業を受けてるときもありました。世界史と日本史は一緒に取っちゃだめなんですけど、その『混ぜるな、危険!』をやっちゃって、そこへマゼラン海峡という文字が出てきて」と笑わせた。

 「『ビビット』をやらせていただくようになってから、月曜から金曜まで走られてる方にとっての、週末のあったかさが分かるようになってきました。『さくらの親子丼』で、週末に皆さんの心の中にあったかいものが流れてくれれば」と話した。

 家出してさくらの元に身を寄せる不良少女役の吉本実憂(20)は、役作りのために髪を金髪に染めた。「役で染めることができるのは(女優として)光栄なことですね。真矢さんは優しくて、あったかい、尊敬しています」。さくらの娘役の本仮屋ユイカ(30)は「真矢さんは人への寄り添い方が違う。そばにいるだけで、きれいになれそう」と話した。