宝塚歌劇団の花組人気スター柚香光(ゆずか・れい)主演の花組公演「ミュージカル浪漫 はいからさんが通る」が7日、大阪市北区のシアター・ドラマシティで開幕した。

 若手時代から抜てきが続いた「大器」柚香の外部劇場初主演作。6日に行われた公開げいこには、大ヒット漫画の原作者、大和和紀氏も見学に訪れ「もう! 生き少尉!立っているだけで(主人公)そのもの!」と絶賛。柚香が放つスター性についても「きれい。とにかく、きれい。あのプロポーションはあり得ない。漫画そのもの。声もすてき」と話し、すっかり“柚香・少尉”に魅了されていた。

 今作は、75~77年に「週刊少女フレンド」で連載され、大ヒットした少女漫画が原作。大正時代の華やかな東京を舞台に、眉目秀麗で笑い上戸な陸軍少尉・伊集院忍と、通称「はいからさん」の女学生・花村紅緒が繰り広げる恋物語を描く。

 78年にはテレビアニメ化、87年には南野陽子、阿部寛らにより映画化もされた国民的人気作だ。それゆえ、柚香も「反響にびっくりした」と驚き、南野主演映画も見て、役柄と世界観を研究。少尉の軍服の着こなしにもこだわった。

 柚香は、公演開幕前の取材で「宝塚の軍服って華やかな物が多いですけど、日本軍の軍服は別物。体のラインの出方も違った」と言い、ポスター撮影での秘話も告白。「サーベルがあると、まっすぐ立っていても、体のラインがゆがんで見えたりしたので、だいぶ考えました」と話していた。

 華やかな立ち姿には比類がなく、もともと、圧倒的な“スター・オーラ”を持つ柚香。完全無欠な二枚目役を「内面から考えて」作り上げてきた。

 そんな柚香と、今作の演出を務めた小柳奈穂子氏らに対しても、原作の大和氏は「原作に忠実に本当によくまとめていただいた。楽しかった。うれしかったです」と感謝していた。

 ヒロイン紅緒は、100期入団の4年目、華優希(はな・ゆうき)が抜てきされた。大阪公演は15日まで。東京・日本青年館ホールでは10月24~30日。