過酷な体当たり企画で関西で人気を博したテレビ大阪の名物番組が「吉本超合金A」(日曜深夜0時35分=29日スタート、関西ローカル)として復活し、レギュラーに決まった「アキナ」が11日、大阪市内で会見…に臨んでいる間に、早速、秋山賢太(34)の宝物スニーカー、Tシャツが“破壊”された。

 番組では、「ラブゲーム」と呼ばれる体を張った罰ゲームが人気で、秋山、山名文和(37)は偽の「ラブゲーム」を収録。続いて記者取材会が行われた。しかし、実はこの間、2人には内緒で、本当の「ラブゲーム」が実行されていた。

 取材、写真撮影を終えた瞬間、電話に着信。テレビ電話に、だだっ広く何もない和室が映された。実は、家財道具一式が移送された秋山の府内の自室だった。

 「え? これ? 俺の部屋? え? シューズボックスがないっ!」。混乱する秋山の目に飛び込んだのは、集めた“お宝”の惨劇だった。

 秋山はスニーカーのコレクターで「何十万円するレアものもある」とか。テレビ電話を通じ、引っ越しを手伝っていた後輩芸人がスニーカーをレンジへ入れ込むのを目撃。「靴あっためてる…。中にオムライス入ってるわ。いやカレーか…。どっちでもええわ! 大事過ぎて、まだ1回もはいてないのに…」。怒りを通り越え、ぼうぜんとした様子で報告した。

 実はこのスニーカー、日本未発売のファン垂ぜんの商品だった。「定価は2万円やけど、スニーカー好きの間では値段がつけられない…。ナイキのエア・ペニー2です。韓国まで飛行機で往復して1泊して買ってきた」そうで、ほかにもレアものスニーカーが被害に遭っていた。

 さらに、レアもののTシャツも「少なくとも、僕が映像で見たのは3枚がアウト」と言い、「白いTシャツにしょうゆかけられてた…。うち1枚は、切り裂かれてスポブラ(チューブトップ)になってた」と、肩を落とした。

 被害総額を尋ねると「全部で400万円ぐらいですかね…」とポツリ。しゃべりが仕事の芸人ながら「今、しゃべりたくない…」とぼうぜんとするばかりだった。そんな秋山を心配していた山名だったが、コンビの片割れが罰ゲームを受け、自分だけ無事であるわけはないのだが「そりゃ、むっちゃショックですよね」と、どこか人ごと。

 スタッフ、取材陣のにやけた様子から、その後、自身にも何かが及ぶと察知したのか「自分に火の粉…。ん~、しんどいな~。いや、でもまだピンと来ない。え? どんだけきついん?」と秋山を取材。秋山は「なんやねん。今まで! でも、おれらは味方でおらんと、乗り越えられへんで」と言い、2人は気を取り直して、秋山の家財道具を奪い返す「ラブゲーム」ロケへ出かけた。

 発表会見でいきなり、番組の洗礼を受けた秋山、山名の2人。「もともと、他人の痛がる姿、苦しむ姿はおもしろい」と番組のファンだった。秋山は「(出演者以外の)誰かを傷つけるのはいやだけど、僕らはボロボロになってもいい」と潔い覚悟で、同番組を機に芸人を志した山名も「死ぬ気で! という思いと、やっぱりいややな…って、心の波に襲われています」と、気合を入れて番組に臨んでいた。

 しかも、備えあれば憂いなし、とばかりに、山名は「この番組が決まって、まず自分の貯金残高を確認。家のどこに棚があるとか、自宅の配置もきっちり再確認した。何がなくなるか分からないし、引っ越し企画もありましたしね」とも話していたが、いざ目の当たりにすると「……」。家財道具が消えた部屋を見つめた秋山は「でも…おやじの仏壇だけは何も触ってない。モラルが残ってましたね」とひと安心しつつ「番組、始まったんやな…」と実感していた。