日本陸連の瀬古利彦マラソン強化戦略プロジェクトリーダー(61=横浜DeNAランニングクラブ総監督)が、24日にTBS系で放送される日曜劇場「陸王」(午後9時)の最終回で、ドラマに初出演することが22日、分かった。

 瀬古氏は劇中で、「こはぜ屋」四代目社長・宮沢紘一(役所広司)の息子大地(山崎賢人)が就職活動で最終面接に挑む会社「メトロ電業」企画部長の桐山を演じる。面接官として、大地にランニングシューズ「陸王」を作るまでの話を聞く役どころだ。

 瀬古氏はTBS系で毎年、元日に放送する「ニューイヤー駅伝」に解説者として出演し、実況を務める初田啓介アナウンサーと仕事をしたことをきっかけに親交を深めてきた。「陸王」の放送がスタートした後、競技シーンで実況を務める初田アナに「僕も『陸王』に出演してみたいな…」と冗談半分に話した。その話を真剣に受け止めた同アナがプロデューサーに話して、奇跡的にスケジュールが合い、今回の出演が実現した。

 瀬古氏は「ドラマが始まった時から注目し、機会があればぜひ出演したい! と思っていました。最終回が近づき諦めかけていたのですが、まさかこのタイミングで実現するとは! 光栄です!」と喜んだ。

 劇中では、竹内涼真(24)演じるダイワ食品陸上競技部の茂木裕人が、ランナーにとって致命的な半腱様筋の部分損傷を負い、苦闘する姿が描かれる。瀬古氏も現役時代、国内外でマラソン15戦中10勝と圧倒的な強さを誇りながら、1981年(昭56)に遠征先のノルウェーで足首をひねり、全治1年10カ月の大けがを負った経験を持つ。それだけに「竹内涼真さんが演じる茂木裕人選手が、まるで自分の現役時代のようだと感情移入して見ていました。このドラマを通じて、日本の陸上長距離、そしてマラソンに再度注目が集まることを願ってやみません」と作品への思い入れは強い。一方で、日本陸連マラソン強化戦略プロジェクトリーダーの立場から、「元旦には本物の『ニューイヤー駅伝』もぜひ見てくださいね!」と、劇中でも描かれた「ニューイヤー駅伝」をアピールした。

 またTBS系「ビビット」に“ニュース雑学おじさん”として出演中の堀尾正明氏(62)が、「メトロ電業」製造部長の南原を演じる。4月期に放送された日曜劇場「小さな巨人」で弁護士役を好演し、2度目のTBS系ドラマ出演が決まった。瀬古氏とも飲み友達だという。同氏は「毎週欠かさず見ていた『陸王』にまさか最終回の5日前にオファーをいただけるとは思いませんでした。飲み友達の瀬古利彦さんとの共演もすごく楽しみです。おやじギャグのシーンはないかと思いますが…。『小さな巨人』で演じた悪徳弁護士のようなインパクトのある役を心掛けます!」と意気込んだ。

 そして小須田康人(56)が「メトロ電業」人事部長・川田を演じる。小須田は09年の「MR.BRAIN」を皮切りに同年の「JIN-仁-」、「南極大陸」(11年)、「半沢直樹」(13年)、「ルーズヴェルト・ゲーム」(14年)に出演した日曜劇場枠の常連だ。「陸王」の福沢克雄監督伊與田英徳とプロデューサーのチームとは、同じ池井戸潤氏の小説をドラマ化した「半沢直樹」、「ルーズヴェルト・ゲーム」などで何度もタッグを組んでいる。

 小須田は「ある会社の役員の一人を演じるんですけど僕を含め主な役員3人のうち、他のおふたりが全日本的著名人! 『な、な、なんでこのおふたりと一緒にオレが…??』と思っているうちに撮影終わってしまいました。どうぞお楽しみに。画面の中で緊張しまくってたらゴメンナサイ」とコメントした。

 「陸王」最終回は、24日午後9時から放送時間を25分拡大して放送される。さらに同日午後7時からは総集編も放送される。