歌手松山千春(62)が25日、札幌のニトリ文化ホールで、秋ツアー「愛がすべて」の最終公演を行った。

 77年1月に「旅立ち」でデビューした松山が、同年8月8日に初めて立ったステージが同ホールだった。デビュー後は毎年、春と秋のツアーを実施。92年からは秋ツアーの最終公演をクリスマスの日に同ホールで行うことが恒例となっていた。来年10月に閉館するため、この日が松山にとって同ステージで迎える“ラストクリスマス”だった。

 地元のイベント会社によると、同ホールでライブを行った回数は松山の百数十本が断然1位。関係者は「2位の高橋真梨子が四十数本なので、どれほど松山が利用したかが分かる。それは、思い入れがあるから。周囲もその思いに共鳴してきた」と話した。

 この日は、「北風の子守唄」でライブの幕を開けた。その後は、10月に発売した新曲「初雪」やヒット曲「銀の雨」「季節の中で」「恋」など計19曲を披露。ファンは松山との“聖夜”を存分に堪能した。

 同ホールは1971年(昭46)北海道厚生年金会館としてオープン。2300人の収容人数は北海道で最大規模だった。その後、08年に札幌市が取得。10年からネーミングライツ(命名権)を導入して「ニトリ文化ホール」になった。ホール跡地は国際会議場に整備する計画がある。