NHK定例会長会見が11日、都内で行われ、上田良一会長(68)が、昨年大みそかの「第68回紅白歌合戦」について、特別企画で出演した安室奈美恵(40)のリハーサルの写真をNHKが本番の写真としてメディアに提供したことに「大変、遺憾なこと。2度とこのようなことのないように徹底したい」と語った。広報局長も「皆さまにご迷惑をかけたことをおわびします」と謝罪した。安室サイドから本番での写真撮影はNGという話があり、「担当者が本番の写真を提供しないといけないとの思いからしてしまった。制作現場に対してもこういう対応をすると話していたと聞いている」と説明した。

 紅白では欅坂46のメンバー3人がステージ上で、過呼吸のような症状で倒れたが、上田会長は「会場で見ていて気付かなかったが、安全面の配慮をちゃんとやらなきゃいけないと思った」と語った。荒木利幸制作局第2制作センター長も「欅坂46サイドと何度も打ち合わせをしていたが、こういう形になったのは大変、申し訳ないし、残念なこと」と語った。

 ビデオリサーチの調べでは、紅白第2部(午後9時)の関東地区の平均視聴率は39・4%(関西地区39・6%)と前年の40・2%を0・8ポイント下回り、89年に2部制になって以降ではワースト3位の数字となった。上田会長は「視聴率は確かに前年よりやや低かったが、視聴者の4割ほどの方にご覧いただいたのは感謝している。多くの視聴者に楽しんでいただいた」と語った。

 年末年始の番組では、7日にスタートした大河ドラマ「西郷どん」(日曜午後8時)について、ネット上では「薩摩ことばが分からないので、会話がよく理解できなかった。字幕でもっと言葉の説明があったらいいと思う」との声が目立った。広報局長は、放送後、視聴者からさまざまな意見が400件以上あったとし、集計はしていないが、その中には一部、言葉が分かりづらかったという声もあったという。

 一方、一部で有働由美子アナウンサー(48)が「あさイチ」(月~金曜、午前8時15分)を3月末で降板すると報じられたことに、山内昌彦編成局計画管理部長が言及。「来年度の番組の担当は現在、検討中。まだ何も決まっていない」と説明した。上田会長も「今、検討中なので特にコメントはありません」とした。

 会見では、3月に開幕する平昌(ピョンチャン)パラリンピックのキャスターを俳優風間俊介(34)が務めることも発表された。風間は開閉会式と期間中のパラリンピック情報番組「パラリンピックタイム」も担当する。パラリンピックの開閉会式の担当はリオに続いて2度目となる。