でんでんが、68歳の誕生日の23日に東京・テアトル新宿で行われた「TANIZAKI TRIBUTE」完成披露上映会で、出演した映画「富美子の足」(ウエダアツシ監督、2月10日公開)にちなんだ、そそり立つ女性の足をかたどった誕生日ケーキで祝福された。

 でんでんは、壇上で「今日、誕生日で良かったです。これから、ますます、エロジジイになって、芸の肥やしにしたいと思います!!」と堂々と宣言。主演の片山萌美(27)からケーキを食べさせてもらうと「(壇上で祝福された)誕生日は意外とない。おいしい!!」と喜んだ。

 でんでんは「富美子の足」で、デリヘルで見つけた富美子を愛人にして、その美しい足を偏愛する大富豪の老人・塚越を演じた。フィギュア作家の甥・野田に、富美子の足の等身大フィギュアの制作を依頼するが、その出来に納得がいかず、「富美子の足を理解するために、なめてみろ!!」と野田に迫る役どころだ。

 劇中では、野田を演じる渕上泰史(33)とともに、富美子役の片山の足をなめるシーンを演じた。でんでんが「私が右足を担当しております。(渕上のなめる演技が)参考になった」と笑うと、片山は「(なめられるのは)気持ちいいものではないですね。今後は一生、ないと思ってやらせていただきました」と苦笑した。

 ウエダ監督は、なめるシーンをはじめ、でんでんの意見が作品に反映されたと感謝した。「でんでんさんがいてこその『富美子の足』。現場でディスカッションする中で、アイデアをいただいて助かった。でんでんさんの役が火を付けて(渕上と)お互いエスカレートして芝居のボルテージが上がり、片山さんが嫌がってくれる表情が自然と撮ることが出来て助かった」と笑いながら振り返った。

 「TANIZAKI TRIBUTE」は、近代日本文学を代表する文豪の1人、谷崎潤一郎が人間の業とも言えるマゾヒズム、フェティシズムを描き、残した膨大な短編の中から、3人の監督が描きたい作品を原案に選び、3本の現代劇としてよみがえらせた。

 この日は、17年の東京国際映画祭日本映画スプラッシュ部門に出品された「神と人との間」(内田英治監督、27日公開)から渋川清彦(43)と内田慈(34)、「悪魔」(藤井道人監督、2月24日公開)から吉村界人(24)、大野いと(22)、前田公輝(26)が登壇。舞台あいさつ後には「悪魔」が上映された。【村上幸将】