第60回ブルーリボン賞の各賞が23日、東京映画記者会(日刊スポーツなど在京スポーツ7紙の映画担当記者で構成)から発表された。斉藤由貴(51)は「三度目の殺人」(是枝裕和監督)で助演女優賞を獲得。昨年は不倫騒動に揺れたが、演じることの喜びや周囲の応援をあらためて感じた。授賞式は2月8日、東京・霞ケ関のイイノホールで行われる。

 「三度目-」では殺人事件被害者の妻を演じた。なぞめいた事件との関わり、広瀬すず(19)演じる娘に精神的に圧力をかける場面などで強い印象を残した。

 受賞の感想を聞くと「今のタイミング? とも思いました」と、昨年の不倫騒動を引き合いに苦笑いした。「女優として演技をお仕事としているんですが、どうしてなんだろうという気持ちもありました」と、女優業以外で注目されたことを振り返った。だからこそ受賞の喜びは大きい。「演技者としてのあなたの仕事を評価しますとおっしゃってもらい、今ものすごく平静な顔をしていますけど、すーんごくうれしいです、実は。どれだけ励まされたか」。

 家族も喜んでいるという。子供たちから「やったじゃん」という言葉をもらった。また「旦那さんにも言いました。『ノミネートだけでもお祝いしようね』と言ってたので、実際にとってびっくりしてたみたい」と話した。別の映画賞ノミネートの時は、焼き肉を食べに行ったという。

 「三度目-」の是枝監督や、NHK大河ドラマ「真田丸」や舞台で一緒に仕事をした三谷幸喜氏への感謝も口にした「是枝さんも三谷さんも、名乗り上げて励ましてくださる方の存在の大きさを、ものすごくひしひしと感じるここ最近ではあります」。

 32年前、初主演した「雪の断章 -情熱-」で新人賞を受賞して以来のブルーリボン賞だ。「当時はアイドル業もやっていて、どれだけ忙しいかがステータスになるような時代。賞をいただいてありがとうございます、という印象くらいしかないですね。今は重みが分かります。授賞式を両親に見せたいです。両親が見てたら、泣いちゃうかも」。受賞は女優としてさらに飛躍するきっかけになる。【小林千穂】